情報収集も、コミュニケーションも、手元のスマートフォン1台で完結してしまうデジタル時代。便利なツールを賢く使いこなしているつもりなのに、「じっくり考えられない」「思考力が低下している」と感じることはありませんか。そんな読者にぜひ身に付けてほしいのが、元トヨタ自動車社員の浅田すぐるさんが開発した「紙1枚にまとめる」思考整理法です。学べば、自己分析にも、プレゼン力アップにもつながること間違いなし!

日経doorsアカデミー 「紙1枚」思考整理法

大事なのは思考整理とコミュニケーション

 こんにちは、浅田すぐるです。前回に引き続いて今回も、なぜ「紙1枚」にまとめた方がよいのかについて扱います。第2回と合わせて、理解を深めていくようにしてください。

 もう5年以上前のことになりますが、誰もが知っている、とある大企業で研修を担当させてもらう機会がありました。その事前打ち合わせの際、先方からこんな話をされました。

 「仕事の8割は、資料作成と会議でできている。だから、その2つを効率化するための研修をやりたいのです」

 ビジネスチャットやリモート会議も拡大してきている2020年代から振り返ると、この発言は少々極端に見えてしまうかもしれません。ですが、たとえば「資料作成」という言葉を、仕事についてあれこれ考える機会という意味で「思考整理」に、また「会議」を、メールやチャットなども含めた「コミュニケーション」に拡大解釈して置き換えれば、今でも十分に通用する本質的な見方だと思います。

 つまり、仕事の8割は、自身の担当業務について情報を整理して考えをまとめ(=思考整理)、そうした思考整理結果を関係者に報告・連絡・相談していく(=コミュニケーション)。実際、あなたの仕事についても、この2つのプロセスで大半が説明できるのではないでしょうか。ぜひこの機会に当てはめてみてください。

 こう捉えてみると、前回扱った「短時間で伝わるから」という「紙1枚」にまとめる理由の一つは、「コミュニケーション」に該当します。それに対して、今回扱うもう一つの理由は、「思考整理」の部分により合致するような大切な本質です。

2ページ目以降で、「紙1枚」資料の有効性に迫ります!
2ページ目以降で、「紙1枚」資料の有効性に迫ります!