グローバル化、発展し続けるIT技術……。変化が激しく先行きが予測しにくい時代には、あらかじめ「プラン(計画)」することの重要性が強調されがちです。しかしIT評論家の尾原和啓さんは「PDCAではもう遅い」と指摘します。いったいどういうこと?

 今、あなたはどこでこれを読んでくださっているでしょうか。オフィスのPCでコーヒー片手に? スマホでなんとなく? いずれにせよ、僕の連載を読みに来てくださってありがとうございます。今日もお互い、お疲れ様です。

 僕は今、この原稿をバリ島ウブドから書いています。一度はバカンスで訪れた方もいらっしゃるでしょうか。ウブドはリゾートでありながら、実は世界各国のクリエイターが集まるホットなエリアでもあり、一角には南の風が心地よいコワーキングスペースがあります。ここは僕のお気に入りで、仕事がてら訪れては、各国から来たクリエイターに声をかけ、おしゃべり(情報交換とも言いますね)に興じます。

バリ島のコワーキングスペース(尾原さん提供)

 僕はアイデアを沸かせることでご飯を食べているので、刺激的な会話はご馳走です。よく人からは「働き過ぎじゃない?」なんて言われてしまうのですけれど、いえいえ、むしろこのような時間こそがリラックスタイムなのです。

体、力んでいませんか?

 本題に入る前に僕が言いたいことは、まずリラックスしましょう、ということです。きっとこの記事にたどり着いてくださった方は、不安な時代だからこそ少しでも前進したいと、熱いハートをお持ちの方だと思います。ですがそんな方にこそ、まずはほっと息をついてほしいのです。コーヒー、飲みましたか? スマホ、目がしぱしぱしませんか。

 ちょっと深呼吸、リラックス。いつも無理せず、心地よく。僕の経験上、斬新なアイデアほどなぜかリラックスした瞬間に訪れます。混沌の時代を駆け抜けるのにまず大事なのは、体を緩ませる瞬間を持つことです。だからこそ数年前、僕は生活の拠点をバリ島に置いたのでした。

……ちゅんちゅん(小鳥の声)

 どうでしょう、ちょっと力みが抜けて来ましたか? ではそろそろ、ゆっくりと本題を始めていきましょう。

変化の時代から、混沌の時代へ

 僕は昨年ごろまで、あらゆる書籍や媒体で「変化の時代」という言い方をしました。あなたもご存じの通り、今は時代の大きな節目です。発展を続けるAI技術や社会のグローバル化、特にここ数年は、社会のルールが変化し続け、同時にこれまで潜伏していた汚職や各界の問題がニュースとしてあぶり出されるようにもなりました。

 こんな最中では、誰でも不安になるものです。先も見えずに、自分は時代の変化に耐えられるだろうか? と。しかし、変化は加速します。今年はもはや、変化ではなく「混沌の時代」に突入したようです。

 しかし、不安になる必要はありません。混沌の時代こそ、実はチャンスの多い時代です。むしろ、混沌とすればするほどチャンスは増えます。では、どうすればチャンスをものにしていけるのか? について、この連載でお話ししたいと思います。