さまざまな分野で変化やイノベーションが加速しているといわれる現在。ところで皆さん、「休み方改革」はできていますか? 休息は取っているはずなのに、疲れが取れない原因は何なのか。どうしたら、目の前の課題にはつらつと取り組める状態をつくれるのか。尾原さんが有効な方法をアドバイスしてくれました。

 疲れを取ろうと思って、ぐっすり寝てもスッキリしない。気を晴らそうとお酒を飲みに出かけたけれど、なんだか心がモヤモヤしたまま。しっかり休んだはずなのに、結局疲れが取れないまま月曜日を迎えてしまった……。そんな経験、ありませんか? その原因は、そもそもあなたが「何の原因によって疲れているのかが分からない状態」に陥っていることにあるかもしれません。

 そもそも、時代の変化によって人の働き方が変われば、おのずと疲れの質も変わってくるもの。それなのに多くの人は、「疲れたときはただ寝てしまおう」「ちょっと飲みに行けばストレスは解消されるだろう」と思い込んだままなのです。

先が見えない時代の「疲れ」とは

 肉体労働をする人にとっての疲れは「肉体疲労」です。この場合、しっかり食べてぐっすり眠ることで、疲れから回復することができます。つまり肉体労働が主な産業だった時代では、ほとんどの疲れは、体にアプローチすることで解消されるものでした。

 やがて産業革命が訪れると、主な仕事がルーティン作業という人が増えました。毎日同じ作業を続けていると、人はだんだん退屈してくるものです。すなわち、疲れの原因が「退屈」そのものに変わったということ。そこではやったのが、バカンスやレジャーでした。気分転換をすることこそが、疲れを癒やす方法につながったのです。

 では、昨今のような変化と混沌の時代では、何が疲れの原因になるのでしょうか? 今、多くの人は、「先が見えない」という思いを抱いているでしょう。とりわけ女性の場合は悩みの種も多いものです。例えば、昔より女性が仕事を長く続けられるようになった分、「出産をするのか、しないのか」「するならば、いつなのか」といった選択を迫られることが多くなっています。きっと、本人が置かれた環境や状況によって、他の人とはシェアしにくい「不安」が付きまとっているのではないでしょうか。

 つまり、変化の時代における疲れとは、「不安」からくるもの。この不安はやっかいなもので、ただ寝れば回復するものでも、一時的な気晴らしでなくなるものでもないようです。では、どのようにして不安からくる疲れを癒やせばいいのでしょうか?

寝ても、気晴らしをしても取れない疲れ。どう向き合う?
寝ても、気晴らしをしても取れない疲れ。どう向き合う?