「目上の人の言うことをきちんと聞かなければ」「周囲の声によく耳を傾けて、合わせなければ」…そんな優等生的思考が、実はあなたの可能性を狭めてしまっているかもしれません。「外側からの評価軸」だけでなく「自分だけの評価軸」を育てていく方法を、尾原さんが教えてくれました。

 元号が令和に変わってから、「新時代」という言葉を見聞きすることが増えました。ニュースは有名企業の不祥事や経営破綻などを報じ、新しい時代の到来によって、古い世の中の仕組みが変わっていくさまを見ているかのようです。誰の胸の中にも「新しい時代をどう生きていくべきか」という問いが生まれているのではないでしょうか。

 従来は、斬新なアイデアを持った人材より、上の指示に従うタイプの人材が求められてきました。そのため、教育においても「親や学校の先生の言うことをきちんと聞き、みんなに合わせることが大事」という風潮がありました。しかし、今私たちに必要とされているのは、どんな変化にも対応する強い自立心です。これまで「この会社に勤めていればひとまずOK」と安心していた人たちにとっては、とてもハードな時代がやって来たのかもしれません。

私たちの思考を縛る「外側からの評価軸」

 変化の時代では、何よりも自分の頭で思考し判断していくこと、柔軟な物の見方をすることが強く求められます。しかし、この「自分の頭で考える」ということ自体が困難になっている人がとても多いのです。なぜなら、私たちはこれまで、「外側からの評価軸」に忠実に生きることを求められてきたが故に、どうしても誰かの評価を念頭に置く狭い思考でしか、物ごとを考えられなくなっているところがあるからです。

 そこでまずは、「外側からの評価軸」に対して、自覚的になる必要があります。そもそも「外側からの評価軸」とは何でしょうか? 代表的な例で言えば「学歴」「職歴」「家柄」、さらには、俳優やモデルらをトップに据えるような「美醜」なども、あくまで誰かが勝手に決めた評価軸です。この他に「上司や親に褒められること」なども含まれます。

 つまりこれらは、いわゆる世間の評価です。このどれもが、新時代ではこれまでと同じようには通用しなくなってきていると感じます。コンプレックスやこだわりから自由になることは容易ではありません。ですが、あえてそこから自分を解放していく意識を持たなければ、新時代の変化のスピードに対応できなくなってしまいます。