経験に基づく楽観性を鍛える

 これは僕にとっての転職と同じです。僕は何度も転職を重ねてきましたが、もちろん新しい職場は不安です。ですが、まずは我慢強く仕事をこなしていけば、どれくらいで自分が変化に慣れていくのかが分かってきます。すると、自分のシミュレーション機能に、「最初は不安でも、ある程度の期間がたてば必ず慣れる」という経験に基づく楽観性が備わってきて、変化に対して明るい見通しを立てられるようになるのです。

 最初の一歩にはいつも心理的ハードルが伴いますが、「やがて慣れる」と思えれば案外簡単に踏み出せるものです。

 楽観性を育てるには、「変化に慣れること」を繰り返し、体に染み込ませることが大切です。「新しいお店に入ってみる」というのは地味で小さなことと感じられるかもしれません。でも、量をこなしていけば、きっと効果が生まれてくるはずです。

失敗経験は「自己効能感」を高めてくれる

 それでも、人生の進路に関係する大きな選択をするときには、どうしても尻込みしてしまうこともあるでしょう。ここで思い出してほしいのは、「不安は生存本能からくるもの」だということです。つまり、漠然とした不安とは、元をたどれば「死んだらどうしよう」という思いにつながっているのです。