「ポイント」をためる場合

 家電量販店のAカメラ、ここは「10%ポイント還元」です。一方Bデンキ、こちらは「10%現金値引き」です。同じ10万円のパソコンをそれぞれのお店で買ったと仮定します。どちらもまず10万円払う、ここまでは同じですね。

※AカメラのポイントはAカメラだけで使えるポイントとします

 ところが買った後、Aカメラは10%、つまり1万円分のポイントが付きますが、Bデンキは、現金で9万円の支払い(1万円のキャッシュバック)になります。同じ10%=1万円ですが、AカメラとBデンキの違いは「ポイント」か「現金」かということです。重要な点はここからです。

 Aカメラの場合にもらえる1万円分のポイントは、基本的に「Aカメラでしか」使えません。もちろん現金にも換えられません。ということは、いずれあなたはAカメラでその1万円分の商品を購入する(手に入れる)ことになります。

 つまり、あなたがAカメラで使うことになるお金は「自分の出したお金10万円+店がくれた1万円」ですから、合計11万円。でもその内、店がくれたのが1万円分ですよね。したがって割引率は1万円÷11万円です。電卓で計算すると分かりますが、およそ9.1%の割引となります。

「現金値引き」にした場合

 これに対してBカメラは10万円使った後に現金で1万円くれる(実際の支払い額は9万円)わけですから、文字通り、1万円÷10万円が割引率となり、この場合は10%。つまり、どちらも1万円お得にはなりますが、Bデンキでは「10万円しか使わない」のに対して、Aカメラでは結局「11万円の買い物をする」ことになるのです。

 どうですか。現金値引きのほうが有利だということがお分かりになりましたか?「う~ん、そう言われてみればそんな気もするけど、でもやっぱりポイントのほうがいいような気がする」、これでもまだそう考える人はいるでしょうね。そうなんです、実は多くの人は現金値引きよりもポイント還元が好きなのです。これは一体どうしてなのでしょう?