結婚に向いているのは「◯◯◯を見てくれる男性」

 100年時代を迎えるに当たり不安に感じるのは、仕事だけではありません。結婚や子育てなど、プライベートも懸念事項の一つ。特に、人生を共に過ごすパートナー選びはますます重要になりそうです。グラットン氏の講演は、結婚にまで及びました。

 結婚・出産・離婚・再婚を経験し、ロンドンビジネススクールの教授として初めて仕事と子育てを両立したグラットン氏は、「子どもの世話をしてくれるかどうか」がパートナー選びのポイントだと話しました。

 「今までは妻が家を守り、夫が一人で家族を養っていくスタイルが一般的でしたが、そのような人生は男性にとっても負担が大きかったはず。世の中には、『子どもの世話をしたい』と思っている男性もいます。しっかりと子どもを見てくれる男性をパートナーに選べば、夫婦で支え合いながら共にマルチステージの人生を歩むことができるでしょう」

 とはいえ、まだ成功者の少ないマルチステージ型の人生を選び、進んでいくのは不安なもの。自分を育ててくれた両親に反対される可能性もあります。そんなときはどうすればいいのでしょうか?

 「親が子どもを心配するのは当然のこと。しかし、時代は変わりました。親の世代と同じ3ステージ型の人生を歩めば、将来行き詰まってしまいます。まずはきちんと話をすることから始めましょう。夫に対しても同様です。どのような未来を理想とするのか、話し合わなければ同じゴールを目指すことはできません。皆さんはパイオニアです。『人生100年時代を生きる自分たちこそ革命を起こす世代だ』という意識を持って、新しい未来を切り開いてください」

「皆さんは新しい未来を切り開いていくパイオニアです」
「皆さんは新しい未来を切り開いていくパイオニアです」

 後編では、親を説得するための詳しい方法や、困難に立ち向かう勇気を持つ方法、グラットン氏がおすすめする起業家向けの新ビジネスなどを、Q&A形式で紹介します。

取材・文/華井由利奈 写真/小野さやか