昭和女子大学の理事長、総長を務め、著書『女性の品格』がベストセラーにもなった坂東眞理子さんが、doors読者にこれからの働き方から結婚相手の選び方までをアドバイス。これからの女性の生き方として、3つの「~しない」を説いてくれました。「自分にはムリだと決め付けない」「両立しやすさだけで仕事を選ばない」「すべてを抱え込む良妻賢母にならない」――ってどういうこと? 詳しく見ていきましょう。

坂東眞理子さんの「~しない」3カ条
1.自分にはムリだと決め付けない
2.両立しやすさだけで仕事を選ばない
3.すべてを抱え込む良妻賢母にならない

1.自分にはムリだと決め付けない

日経doors編集部(以下、――) 日経doorsでは「無限のトビラを開けていこう」と女性たちの活躍を応援しています。長くご活躍されてきた坂東さんから見て女性たちに最もアドバイスしたいのはどんなことですか?

坂東眞理子さん(以下、坂東) これは昭和女子大の学生にも言っていることなのですが「自分を粗末にしないで、大事にしてほしい」ということです。どうせ私なんか才能がない、能力がないと思っている女性が少なくないかもしれませんが、20代で自信を持っている人のほうが少ないし、30代でやっと少し手応えが出てくるかなという感じです。20代、30代前半は苦しい時期だと思います。だから、自分はムリだと勝手に決め付けず、機会があったらいろいろなことをやってみてほしいです。

 さまざまな経験を通して、「努力するのが苦にならない分野」と「逃げ出したいほど嫌な分野」の差が分かってくるはずです。時には失敗してもいいと思います。以前よりも日本は失敗に寛容な風土ができつつあるのではないでしょうか。

―― 失敗しながらも色々なことにトライし、強みをさぐるのは若い世代だからこそできることなのかもしれませんね。坂東さんご自身も最初のキャリア、公務員時代には自分の強みを意識されていたのでしょうか。

坂東 同僚の中には何でもすべてできる優秀な人がいて、そういう人になるのはムリだと思い、自分ができることを考え始めました。その過程で、法律を厳しく審査するという作業は苦手だった一方で、文章を書くことや企画を練ることは好きだったし、強みだと感じていました。

 だから上司にも「書く仕事があったらぜひやらせてください」と伝えていました。よく請け負ったのが上司のゴーストライターなんですよ。上司が寄稿する際に「私が代わりに書きます」と言うと重宝がられましたし、自分の存在も認められるようになってきました。

やりたくないと思っても、まずはチャレンジしてみることが重要だという

坂東 時には自分に向いていないと思うことでもやってみることは重要だと思います。私自身、思わぬ異動がライフワークにつながったことがあります。

 キャリアをスタートさせた当初、現在の内閣府に当たる総理府では青少年問題を担当していました。青少年白書を何度も書いたし、この問題の専門家になろうと思っていたんです。それが急に婦人問題を担当してほしいと言われました。「女性だから、婦人問題ですか?」と当時の上司に詰め寄るほど、嫌がっていたんです。それでも渋々婦人問題を担当すると、それが自分の生涯の仕事となり、第1回の婦人白書を執筆することにもつながりました。

 doors読者の皆さんもぜひチャレンジをしてほしいし、できれば出産などのライフイベントが訪れる前に自分の強みを見つけて仕事は楽しい、という経験をしていてほしいなと思っています。