2020年卒の就職活動が本格化しています。企業側がどのようなことを考えて採用に臨んでいるのか――学生にとっては見えにくいもの。日経doors編集部では、製造、人材、PR業界各社の採用担当者に、覆面インタビューに応じてもらいました。最終回は、近年増える面接での「逆質問」や、気になるマナーについての疑問をぶつけてみました。

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座談会で聞きました

「逆質問」をする理由

――採用担当者が就活生に対して「何か質問はありますか?」と問う「逆質問」。この目的は何でしょうか。

PR 「逆質問」は必ずしますね。学生と企業が互いに理解し合うのが就活の目標なので。「果たして、当社を知ろうとしてくれているのか」という姿勢も見えると思っています。だから、「質問はありません」と答えられると心配になってしまうかな。当社は仕事内容や社風についてお話をしながら面接を進めていくので、聞こうと準備していたことが既に説明されてしまった、という事情もあるのかもしれませんが。でも「情報を提供しているのだから、それを踏まえて何か聞きたいことはないのかな」って感じてしまいますね。

人材 「逆質問」は相互理解の場だと思うので、ことさらに「何かを見極めようとしている」ということはありません。ただ、ネガティブなことを聞かれた場合、そのこと自体は気にしませんが「そのことが気になった理由を聞いてもいいですか」と確認することはあります。その人の価値観を知りたいから。

 当社の場合、よく口コミサイトなどに「労働時間が長い」と書かれているので、就活生は気にして「残業時間はどれくらいですか」と聞いてくるんだと思うんですね。それに対しては「毎日定時退社とはならないが、著しく残業時間が長いわけではない」と実際のところをお話ししますが、それを「多いと思うのか、少ないと思うのか」という反応は気にしています。産休・育休についても同様で、「取得できますか」というのはどういうキャリア設計に基づいて出てきた質問なのか。もちろん、産休・育休を経て活躍している社員はたくさんいるけれど、それまでの努力あってこそじゃないですか。もし、初めから働くことに消極的なのであれば、当社とは合わないと思うので、そこは見極めます。

PR 聞き方ひとつでも、だいぶ印象が違いませんか。例えば「口コミサイトでこんな投稿があったんですけど」みたいなこと、一つ目の質問でいきなり聞くかなあ……。何問か質問していただいた最後に「すみません、ネガティブな話になってしまうかもしれないのですが……」とか切り出してもらえたら、こちらの気持ちも違うのですが。

 「何時に帰れるんですか」とか「残業はどのくらいですか」とか、気になるのは分かります。でも、そういう「守りの質問」ばかりだと心配にもなります。「労働時間の管理はしています。ただ、そのぶん限られた時間の中でより高いパフォーマンスを上げることを求められる。プレッシャーかかりますが大丈夫ですか」と質問し返したこともありますよ。

製造 残業時間についてはみんな気にしているようなので、選考過程であらかじめ伝えてしまっています。「月○時間」だと学生にはイメージしにくいので、「1日にならすと○時間」というところまで。それを踏まえて、意欲を確認するようにしています。