「ブラック企業」が流行語大賞を受賞して、はや6年。さまざまな施策が打たれていますが、いっこうにその言葉が消える気配はありません。売り手市場であり、就活が早期化している今、働きやすい企業を見つけるために必要なのは「雇用に関する正確な知識」です。就職先を決めた後で後悔しないよう、法政大キャリアデザイン学部教授の上西充子さんに企業情報を見る際のポイントを聞きました。

そもそも、「ブラック企業」って?

 劣悪な環境で社員を働かせる「ブラック企業」。もともとはネットのスラングから始まり、その後、書籍や映画などによって社会問題として広まりました。厚生労働省は明確な定義をしていませんが、一般的な特徴として次の3つを挙げています。

(1)労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
(2)賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
(3)このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

 しかし、劣悪な環境では働きたくないと思っていても、そうした企業に就職してしまう学生が後を絶ちません。まずは、その理由を上西さんに聞いてみました。