自分のやりたいことを、周囲の人たちに伝え続ける
パジャコレを考え付いた時を振り返り、「あれはダジャレから生まれたんですよ。パリコレをもじって、パジャマに特化したファッションショーないよね。話題になりそうじゃない? と始めたんです。ふざけてますよね」と笑いながらも、その楽しい思い付きを実現させるために、中山さんは周囲の人に相談しまくったという。一緒に事業を運営するスタッフたち、出てくれるモデルたち、商品や会場を提供してくれる企業の人たちに、「こんな世界が実現できたら面白くない?」というビジョンを伝え、仲間を増やしていった。
そして、今も、「SHEで一緒に自分たちにしか実現できない世界を実現してくれる仲間たちを探すことを、自分の最重要ミッションとしている」そうだ。
「星の数ほどの方と出会ってきた結果、最近では第一印象で、SHEに合う人かどうか見分けられるようになりました(笑)」
日本、そして世界の女性が自分らしく生きられる未来を
さて、現在、中山さんの目は日本発で世界の女性たちの可能性を広げることに向いている。
「日本の女性の活躍という観点で、この日本社会にはいまだ大きな課題があると思います。事実、2018年開催のThe World Economic Forumの“Global Gender Equality Ratings”によると日本は110位でした。これは恥ずべきことだと思うとともに、私たちで解決していかなければいけないことだと思っています。 逆にこの根深い問題を抱えた日本でこの解決モデルを作ることができれば、これは世界に展開し、多くの方々の可能性を広げることに貢献できるモデルになると思っています」
SHEでは、「自分の好きなことや情熱を持てることを発見し、深掘りをするメンタリングサポート」「クリエイティブスキルやコミュニケーションスキルなど21世紀で活躍するのに必要なスキルを学べるサポート」「そこで気付き学んだ自分たちらしいスキルを生かして働くためのサポート」を提供し、これをもとに上記の課題解決をするためのさまざまな支援を今後も国内外に展開していく。
中山さんは、鋭いセンスで時代の課題を嗅ぎ分け、若い女性の心に寄り添うサービスを繊細に構築していく。そう、優秀な仲間と共に。
SHE共同創業者/CEO
取材・文/小田舞子(日経doors編集部) 写真/稲垣純也