「多様な女性のロールモデルに出会う」をテーマに、女性の社会進出を促進する活動を行う学生団体Women’s Innovation。代表を務めるのは、現在、津田塾大学1年生の大山友理さん。活動を通じて、女性のさまざまな生き方・働き方を発信しながら、自分たち自身が学び、真剣に語り合い、多様な生き方を応援できる社会の実現を目指しています。

大山友理

おおやま・ゆり

学生団体Women’s Innovation代表

大学生
代表

2000年生まれ。学生団体Women’s Innovation代表/Business Insider Japanインターン。2017年4月に異なる女子校に通う友人3人とともに、学生団体Women’s Innovationを設立。「強くしなやかに生きる多様な女性のロールモデルに私たち自身が出会い、発信し、その機会を提供する」ことが活動テーマ。中心メンバー、サポートメンバーの2体制で活動を展開している。

看病、介護、育児を抱えた専業主婦が就職できない

 「働く意欲があるのに働ける場所がない」――この現実を大山さんが知ったのは自身が15歳で父が病に倒れて余命宣告を受けたとき。「当時専業主婦だった母は、私たち3人の子どもを養えるだけの収入を得られる仕事に就こうと、就職先を探しました。父の看病、祖父母の介護、そして育児を並行しながらでも働きたいと考えたのです。でも、かなわなかった。なぜ働きたいのに働けないのだろうと、疑問が湧き上がりました」

 当たり前に働けるだろうと思っていたのに働けない現状。なぜ社会は女性の生き方を限定してしまっているのだろうという強い疑念。大山さんは高校3年生のときに、他校の女子高生3人と共にWomen’s Innovationを設立します。「さまざまな境遇に置かれている女性をはじめ、性別に関係なく、皆がより良い働き方を選べる社会にしたい」と願いました。

「また女性系?」冷たい反応からの葛藤

 社会の現実を知るために大山さんたちが始めたのが、自分たちのロールモデルとなる人の話を聞く取材活動。女性が働きやすい環境を整備している企業や団体を訪ね、多彩なキャリアを築いている人、ワーキングマザーなどにインタビューを行い、生き方や働き方を自分たちのメディアで発信する。学生目線から社会の課題を見つけ、自分たちで解決策を模索することが、社会を変える第一歩になると考えました。

 あるとき、「性別を問わず同世代の多くの人に活動を知ってもらおう」と、会場を借りてイベントを開催することにしました。ところが、大山さんの意に反した結果をもたらします。「女子高生主催」というだけで、イベントにはWomen’s Innovationの活動に興味のない大人が多くやってきたのです。

 中には、アイドルのイベントさながらの振る舞いをする人もいました。「社会団体」という認識を持ってもらえず、大山さんたちは憤りを感じたといいます。それは大学生になり、より積極的に取材を行っていく中でも続きました。

 ある訪問先で名刺を差し出した途端、「また女性系か」と言われたのです。

 「このとき、私たちの活動を『女性系』とひとくくりにされたことに疑問を感じました。『女性の社会進出の促進』は、私たちのテーマの一つですが、男性の視点も必要です。相互理解を促したいと思っているのに、団体名だけで判断されてしまうのが悔しかった」

 この出来事で「こういった女性に対する偏った価値観が、働き方を選べない社会にしているのかもと感じました」と大山さんは話します。

「女性に対する偏った見方が、働き方を選べない社会にしているのかも」
「女性に対する偏った見方が、働き方を選べない社会にしているのかも」