ビジネスパートナーと共に立ち上げた会社で1億円以上もの資金を調達し、2015年末、Instagramで1年を振り返るサービス「#2015bestnine」で世界で1500万人ものユーザーを獲得したという経歴を持つ関口舞さん。そんな関口さんの人生を変えた「キャリアの入り口でやったこと」とは?

1500万ユーザーのサービスを手掛ける

「私には、誰かに必要とされている、誰かの役に立っているという実感が必要」
「私には、誰かに必要とされている、誰かの役に立っているという実感が必要」

 関口舞さん(28歳)は、ビジネスパートナーと共に立ち上げた会社で1億円以上もの資金を調達し、2015年末、Instagramで1年を振り返るサービス「#2015bestnine」で世界で1500万人ものユーザーを獲得したという経歴を持つ。どれだけアグレッシブな方なのだろうとドキドキしていたが、実際に会ってみると、ふんわりとした柔らかい印象の持ち主だった。

 「起業家とかいうと、すごく強い人だと思われがちなんですが、私は本音は周りの人にどう思われているか気になって仕方がない人間なんです」

 そう笑いながら肩をすくめた。2015bestnineユーザーが増え続けた時には、米国のユーザーからの問い合わせが殺到し、その対応で文字通り、眠れない夜が続いた。

 「2015bestnineはユーザーは増えたのですが、実はそれほど収益につなげることはできなかったんです。ユーザーからの問い合わせの内容はサービスの使い方に関するものが多くて。私はそんなに英語が得意なほうではないので、説明するのではなく、その方の代わりにアプリを動かしてあげたり。収益につながらなくても、やっぱり自分の思い入れのあるアプリを使いたいと言ってくださるユーザーさんを放っておくことはできませんでした」

 ただ、体は悲鳴を上げ、約1カ月間、休職して群馬県の実家で休養した。復帰後は、ビジネスパートナーに会社を任せ、今後は、自分が作りたいと思うサービスを模索しながら、知り合いとのつながりを主な顧客としたキャリアコンサルティングの仕事に軸足を置いていくと語る。

 「収益は考えず、ひとまず自分の好きな仕事を思う通りにやってみようと動いていたのですが、やっぱり自分が好きな仕事、というだけではダメで。私には、誰かに必要とされている、誰かの役に立っているという実感が必要みたいです」

 関口さんはもともとビジネス志向だったわけでは全くない。