都心に暮らし、都心の会社に勤務する――。そんな生活に疑問など抱かない人のほうが大多数だろう。その感覚に勇気を持って異を唱える人がいた。森原まやさん(33歳)だ。

週3日酒々井に、週4日松濤に帰る

二拠点、かつ、シェアハウス居住者の森原まやさん

 2018年7月に日系大手電機メーカーから外資系IT企業に転職した森原まやさんは、現在、千葉県印旛郡酒々井(しすい)町の古民家と東京都渋谷区松濤の戸建てのシェアハウスに部屋を持つ、2拠点居住を実践している。

 「週3日酒々井に、週4日松濤に帰る、というイメージです。酒々井から六本木(勤務地)までは電車で2時間かかるので、朝は7時に起きて同居メンバーに駅まで車で送ってもらって会社に向かいます。朝ごはんは出勤してから食べます」

渋谷区松濤にあるシェアハウスの森原さんの部屋。「小さいですが、これで十分」

 1回目の取材は松濤のシェアハウスにて。以前は評論家の住まいだったという3階建ての一軒家。15部屋あり、現在約20人が住んでいる。森原さんの部屋は四畳半のコンパクトな空間。この空間を4人でシェアしているが、全員が多拠点居住者で、バッティングしても他の部屋で寝たりと困ったことはない。月3万円弱也。

 「最近、私の荷物が増えてきてしまったので、隣の部屋も1万円で借りて……、あと、駐車場も2万円で借りています」

 酒々井の住まいは月4万5000円なので、月々の居住費は合計10万5000円。酒々井から六本木への交通費(往復1回約3000円)も含め、「必要経費」とさっぱりしている。

 「お金にはそんなに興味がないんです。大きな出費は時々行く海外への旅費ぐらいですし」

松濤の家にある共有スペースには棚の上にテーブルがはまった不思議な空間が。「もともとここにテーブルを置く予定だったんですが、みんな意外とこれが気に入ってしまって(笑)」