対等に言い合える親友を新社長に

 そんな中、たかまつさんは「笑下村塾」をさらに良くするため、2018年に就職をし、代表を譲ることに。

 そのとき次の新代表に、と白羽の矢が立ったのが、たかまつさんとは慶應義塾大学の同級生でもあり、創業当時からボランティアで笑下村塾の運営を手伝っていた親友の相川美菜子さん。

 「社会を変えたい」という思いを理解し、時にはけんかもできて対等に言い合える相川さんになら、「安心して会社を任せられるし、授業の教材作りに専念したり、外で講演をすることもできる。ようやく肩の荷が下りたかな」とたかまつさんは言います。

「新代表への話があったとき、大学生時代に立ち上げた政治系ウェブサイトを見てくれた人から『初めて選挙に行きました』と言われたときのうれしさが走馬灯のようによみがえりました」(相川さん)
「新代表への話があったとき、大学生時代に立ち上げた政治系ウェブサイトを見てくれた人から『初めて選挙に行きました』と言われたときのうれしさが走馬灯のようによみがえりました」(相川さん)

 「新代表への話は、驚いたのと同時に自分を信頼し選んでもらえたことがすごくうれしかったですね。ただその反面、現在の職場(リクルート)はまだ入社3年目。社長になって『私の力で売り上げを増やしていけるのか?』『部下も持ったことがないのに、(笑下村塾の)みんなを食べさせていけるのか?』という不安も。けれど、それよりも、ワクワク感のほうがはるかに大きかった」(相川さん)

マネージャーは「クラウド営業部」の皆さん

 笑下村塾には「クラウド営業部」なるものが存在します。「クラウド営業部」とは、社会人として新しい学びを得ながら、それを生かした副業もできる「学びながら稼ぐ」プラットフォームで、仕事を取ってきてくれた人には報酬を支払う仕組み。

クラウド営業部の中では、飲みに行く人が一番仕事を取ってきてくれるんだとか。「飲みに行った先でクラウド営業部の名刺を出すと、興味を持ってくれて話が広がるようです。人を巻き込んでいくことは大事ですね」(相川さん)
クラウド営業部の中では、飲みに行く人が一番仕事を取ってきてくれるんだとか。「飲みに行った先でクラウド営業部の名刺を出すと、興味を持ってくれて話が広がるようです。人を巻き込んでいくことは大事ですね」(相川さん)

 現在およそ50人ほど在籍している部員の居住地は首都圏だけに限らず、日本全国、さらに日本を飛び出し中央アメリカのニカラグア在住の方もいて、会議はスカイプで行うんだそう。

 「日本全国に出張授業したいと思っているものの、私たちは地方にネットワークを持っていません。そういった場面で、東京以外にいるクラウド営業部の方々が本領を発揮してくださる。逆に首都圏に固まっていないほうがありがたいんです」(相川さん)