一人ひとり違うからこそ、存在意義がある

「きっと、誰もが何かしら生きづらさを抱えているのではないか」という星さん。LGBT、セクシャルマイノリティーのほか、ハンディキャップや病気を持つ人、子育て中の人や介護をしている人、それぞれが抱える「生きづらさ」を受容できる社会にすることが大切だと語ります。

 「『想像力』こそがすべての源。人だけが持っているこの力で、自分をさまざまな立場の人に置き換えて想像すれば、お互いを思いやれるのではないでしょうか。固定観念に縛られていると、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまいます。他人を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。自分を主体にして、行動を変えていくことができれば、自分をコントロールできる。そうすれば、目の前の人を大切にしながら、自分も大事にされる環境になっていくのではないでしょうか」

 JobRainbowで活躍する傍ら、星さんは2018年、司法試験合格を果たしました。志していた法曹界で、専門家としてLGBTやマイノリティーをサポートする道も開けましたが、当分はJobRainbowのメンバーとして活動を続けていくそう。いまだLGBTに関して教育を受けられない子供たちが多くいることや、結婚、住宅、金融、介護など、LGBTの方が様々なライフステージでぶつかる困難など、まだまだ取り組むべき課題はたくさんあるといいます。

 「LGBTフレンドリーな会社を増やし、マイノリティーが生きやすい社会を作ること。それは最終的に、『すべての人が自分らしく生きられる社会』に繋がると思うのです。私たちは、一人ひとり違うからこそ、存在意義があるのです。たとえマイノリティーであっても、それはマイナスなことではありません。『人と違うこと』を恐れる必要なんかない。多様な人がお互いを認め合って生きることができれば、その先には、もっといい日本、いい世界が広がっていくと信じています」

「一人ひとり違うからこそ存在意義がある。マイノリティーであることはマイナスなことではありません」
「一人ひとり違うからこそ存在意義がある。マイノリティーであることはマイナスなことではありません」

文/都田ミツコ 写真/清水千恵子