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\Power 20s/ 女子力なんてぶっとばせ!

みたらし加奈 メンタルケアのタブーや偏見打ち破りたい

SNSで活動する臨床心理士 SOSの声を待つのではなく「迎えに行く」心のケアを

フォロワー数が12倍に増えた投稿

みたらし 当時、この投稿をするまでは、インスタグラムのフォロワーは500人くらいでした。投稿しようと思ったのも全世界に発信したいというよりは、プライベートでつながっている友達や同級生とか、身近な人たちの精神疾患への偏見をまずなくしたいと思ったから。2000文字以上の長文の投稿で、インスタグラムはSNSの特性的にもバズりにくいのですが、共感してフォローしてくださったり、メッセージを送ったりしてくださる方もいて、一気に約6000人まで増えました。

―― 身近な人に向けて思いをつづった2018年2月のSNS投稿から注目を集め、昨年は初めての書籍『マインドトーク』も出版。この2年は大きな変化がありましたね。

みたらし その投稿のきっかけとなった彼女も自分のYouTubeで統合失調症についての発信をしているというお話を聞いて、私自身も発信する勇気が湧きました。それで、「私のほうでも投稿していいですか?」と聞いたら「ぜひ」って言ってくれて。「ツーショットとおひとりでの写真を撮っていいですか? それをSNSに載せてもいいですか?」と許可をいただいて投稿したんです。連絡先も名前も知らない女性ですが、あのとき一緒に過ごした時間は一生忘れないと思います。

臨床心理士を目指した理由

―― みたらしさんは志していた職種を変えて、臨床心理士を目指したそうですね。くしくも、身近な人の統合失調症が進路変更のきっかけとなりました。

みたらし 学生時代から心理学やカウンセリングというものに興味はありましたが、大学時代の学部は心理学専攻ではありませんでした。一般教養課程で心理学を専攻していたけれど、「臨床心理士」という職業は友人から聞いて初めて知りました。当時、テレビ局でアルバイトをしていたこともあり、大学卒業後の進路は、テレビ局にお世話になることが決まっていたんです。でも、もうすぐ就職するというタイミングで、とても親しくて大好きだった知人が統合失調症になったことが分かりました。

―― 身近な人の心の病は「何とかしてあげたい」と思う一方、適切な接し方が分からず戸惑います。

みたらし 私にも何度か連絡が来ていて、いつもと様子が違うことに心配していたのですが、相手の病気に対して何を言ってあげたらいいのか、どのように対処するのが正しいのかということが分からず、メールに返事ができなくなってしまった時期もありました。軽率な言葉をかけて病状が悪化してしまったらいけないと思いながらも、何もできない自分の無力さがとても歯がゆくて……。その同時期に、アルバイトを続けていたテレビ局の上司から、「大学院に行って、興味のある分野の知識を深めるのもいい経験になるよ」と勧められて。それまで、大学院という発想は自分の中になかったのですが、人生でまだ学びたいことがあるなら勉強を続けてもいいんだなと思って、1カ月間猛勉強をして大学院を受験しました。

―― 1カ月とは、短期集中でのチャレンジだったのですね!

みたらし そのときは必死で勉強して受験をしたのですが、合格した後に大学院の担当教授から「あの年はたまたま入学者を増やすために合格ラインを下げていたんだよ」と聞き、「そのタイミングで入学できたのもご縁なのかな。私が選んだ道はきっと間違っていない」と感じました。

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