チャンスは自分でつかみ取りに行く
インドネシアで着実に人気が出てきた3年目。「自分のことだけではなく、周囲に気を配ることもできるようになった」という仲川さんは新しく加入した後輩の指導にも当たるようになった。「自分を成長させてくれたJKT48に恩返ししたいという気持ちがありました」。
ただ、まだアイドルの文化が根付いておらず、ダンスや歌のレッスンを嫌がってばかりの後輩もいた。それを仲川さんは日本的な愛のムチで厳しく指導。「なかなかついてきてくれなくて……。厳しくしてしまってメンバー全員から嫌われてしまったこともあります」とすれ違いがあったことも。そんな状況を、仲川さんは話し合いをすることで打開。「それでも何が嫌だったのか、なぜ練習が必要なのか、どんな目標を持っているかを話し合う場を設けることで、一つになることができました」
後進の育成も一段落した16年、仲川さんはJKT48を卒業。今もインドネシアで活動を続け、女優業などにも挑戦している。「思い切って日本を出たから、新しいことが経験できて、人生を変えることができたと思います。20代や30代は最も自由な時期だと思ので、多くの人に気軽な気持ちで飛び出してみてほしい。チャンスは待っているだけでなく、ぜひ自分からつかみ取りに行ってほしいですね」
取材・文/飯泉 梓(日経doors編集部) 写真/dentsuX entertainment
タレント・女優