金井芽衣さん(28歳)は国家資格のキャリアコンサルタントとして、ミレニアル世代の顧客の相談に乗っている。「カッコ悪さばかりです」と金井さんが形容する経験とはどういうものか、伺った。

金井芽衣

かない・めい

ポジウィル代表取締役/国家資格キャリアコンサルタント

社長・起業家

群馬県出身。短期大学にて保育士・幼稚園教諭免許を取得した後、法政大学キャリアデザイン学部3年次に編入、キャリアカウンセリングを学ぶ。卒業後リクルートキャリアに入社、人材紹介部門の営業として活躍。2017年4月に退社。同年8月にポジウィルを設立し、代表取締役に就任。

 個人向けオンラインキャリア相談サービス「そうだんドットミー」を提供するポジウィル社長の金井さん。同サービスを2018年9月に開始してまだ半年ほどしかたっていないが、「独立したコンサルティング」を武器に、約3000人にまで順調に登録者を増やしている。9割以上がミレニアル世代の男女だ。

 金井さんは大学時代にキャリアカウンセリングを学ぶ。第1志望のリクルートキャリアに入社した後は、法人営業を4年間経験した。もともと起業を志向していたこともあり、在職中にキャリアコンサルタントの国家資格を取って17年に独立。温めていたアイデアを基にそうだんドットミーを立ち上げた。

 もちろん順風満帆ではなかった。つらい思いも悔しい思いも味わった。だが今は「やりたいことをやれるようになりました」と、満面の笑みを浮かべる。

 そんな金井さんには、「愛と期待をかけてくれた人生の恩人」が3人いる。

「人生の恩人にとても感謝しています」
「人生の恩人にとても感謝しています」

短大の実習で衝撃を受ける

 金井さんは高校時代、勉強をほとんどしなかったという。できなかったと言うべきか。恋愛にエネルギーを費やし、同学年の240人中、最後から1、2位を争うほどの成績だった。「何も考えずに」保育士の養成・資格取得などを目指す短大に進む。不本意だったが、ここに転機があった。

 実習先の児童養護施設で、衝撃の事実に出くわしたのだ。虐待を受けて傷ついた子どもたちの存在だ。母が恋しくても、家に帰れば虐待が待っている。厳しい現実に打ちのめされた金井さんは、親世代を啓発したいと考えるようになる。

 「私は無力でした。何もできなくてすごく悔しくて……。そういう子どもを減らすためには、親が満たされないといけない。その方法を考えたかったんです」

 人生の進むべき道を、初めて捉えた。そのためには勉強する必要があり、大学を目指すべきだと判断した。