大学卒業と同時に起業。士業や士業事務所職員の求人に特化し、月間5万人が訪れる人材マッチングサイト「最速転職 HUPRO(ヒュープロ)」を運営する山本玲奈さん。海外で育ち、客観的に「日本の良さ」を感じていた山本さんが「皆と同じでいること」、「安定した仕事」を手放し、自分の道を見つけるまでのお話を聞きました。

山本玲奈

やまもと・れいな

ヒュープロ 代表取締役

社長

1993年生まれ。高校まで5ヵ国以上の国で過ごし、18年間の海外生活を送る。慶応義塾大学法学部卒業。同大学4年生在学時の2015年11月、ヒュープロを設立。「士業業界を元気にすること」を第一のミッションに掲げ、士業特化型マッチングサービスを提供。夢は「日本を世界一の国にする」こと。

「皆と同じ」「皆がやっているから」はもうやめた!

 2歳の頃から両親の仕事の都合で、海外を転々とし、大学入学時に日本に帰国した山本さん。高校生活を終える頃には、「日本の大学へ行く」と心を決めていたといいます。

 「友達の中には、私がアメリカの大学へ行かないことに疑問を持っていた人もいました。『もう日本は発展しないと思う』『日本人はコミュニケーション下手だよね』と言う人もいました。私はそれが悔しかった。毎年一時帰国したときに、『日本っていいな』といつも感じていたんです。優しい人が多く、食事はおいしい、街に出れば安全で楽しい。日本の良さをもっと世界中の人に理解してもらうために、『私が日本を世界一の国にしたい!』と考えていました」

 日本に帰国して大学に入学した当初、山本さんはまず、サークルやアルバイトに参加しました。「皆がそうだから」と、授業よりもキャンパスライフを優先する毎日を送っていましたが、情熱をもって取り組めることはなかったと話します。

 「帰国子女は個性的」。そんな言葉を耳にすると、とにかく周囲になじむため、「皆と同じことをしないといけない」と思い込むようになっていました。海外では、自分から存在をアピールしないと周囲に認めてもらえませんが、日本では「調和」を求められる傾向にあります。

 なんとなくモヤモヤを抱えていたあるとき、考え方が180度変わる出来事がありました。

 「授業中に突然、教授が『キミたちはなぜここにいるんですか?』と問いかけてきたんです。私大の法学部だったので、授業料を計算すると1回あたり4500円になる。それなのに寝たりサボったり。将来、法曹界に進む人なんてたった1%しかいないのに、なぜ大学に通っているのかと。そのとき、『私は、周りに流されていたんだ』と気づいたんです

 それをきっかけに「日本よりも卒業の基準が厳しい海外の大学で、自分を追い込んで学ぼう」と考えるようになり、学習環境を変えるためスコットランド留学に出発。しかし、山本さんは、現地で拍子抜けします。想像していたよりも、課題に追われることはなく、カリキュラムにも余裕がありました。ただ一つ、大きく違ったのは、ほとんどの学生が図書館にこもって、個々で意欲的に勉強していることでした。何かに夢中になれるのか、なれないのか。勉強するのか、しないのか。それは環境のせいではなく、「すべて自分次第、自分自身が何をするかが大事なんだ……」、そう気づいたといいます。

 留学から戻り、自分を見つめ直した山本さんは司法試験の勉強を開始。そこで、予備校の授業料を稼ごうと、賞金型のビジネスコンテストに応募、優勝しました。

 「私は『人が好き』なんです。日本の一番良いところも、やっぱり『人』。勤勉で謙虚で……。だから、海外に日本のネイリストの技術を伝えるという『人』に関わる事業を提案したんです。コンテストに参加したとき、ビジネスマインドの高い学生とたくさん出会って、自分にもビジネスができるのではないか、と根拠のない自信(笑)が湧いてきました」

「何をするにも、自分次第。環境のせいではないんだって思いました」