就職氷河期に負けず、希望の職種をゲットした方法

 さて、和波さんにとってDeNAは2社目となる。

 1社目は新卒で入社したデジタルガレージ。「2012年は就職氷河期で優秀な人でないとデザイナー就職は厳しそうだった 」と和波さん。一般大卒の和波さんは企画営業職を中心に就活を始めたが、大学時代の作品をまとめてポートフォリオを作り、面接に持参した。その理由は「コミュニケーションをしやすくするために、(ポートフォリオを)見せたほうがいいと思ったから」。さすが視覚に訴えるグラフィックレコーダーだ。そのかいあって、当時採用枠になかったグラフィックデザイナーとして採用が決まった。「企画営業でポートフォリオを持ってきたのは君だけだよ」。入社後、そう言われたという。

プレゼントの中身を作りたくなって転職

 社会人3年目を迎え、転職を考えた理由はただ一つ。

 パッケージやポスターやウェブサイトからロゴやブランディングまで、グラフィックデザインの仕事を手掛けていく中で「(それまでの仕事が)お客様に届けるプレゼントのラッピングを作っている感覚になることもあり、もっとプレゼントの『中身』であるサービスを作りたくなった」。クライアント企業から求められるものだけでなく、プレゼントを受け取る側の想いに寄り添ったものづくりを、と考え、事業会社でサービスのデザインを手掛けたくなったそうだ。

 1社目で年間70を超える案件をこなしていた和波さんは、転職活動中も引手あまた。6社から内定を得た。悩んだ末、最終的にDeNAを選んだ理由を「一番、先が見えなかったから」と語る。「他の会社も素晴らしく、ビジョンや人に共感したのですが、DeNAほど予測のつかない企業はないなと思いました。DeNAは、以前こそゲーム会社の印象が強くありましたが、今はオートモーティブ事業からヘルスケア事業などまで幅広い事業にチャレンジしています。私は分からないものを面白いと感じるタイプ。モヤモヤした先の見えないものを具現化していくのが好きなんです」