アルバイト先のカフェで「廃棄前提の発注」に憤り

憧れのカフェでアルバイトしたが、食べ物を毎日廃棄することが辛かったという

 食に携わる仕事に就きたい。最初はそう漠然と考えていただけだったが、「食べたいものを制限された」篠田さんだからこそ、抑え切れない思いを抱くようになった。

 それは大学時代にアルバイトで働いていたカフェでのことだ。廃棄する前提で商品を発注する現状を目の当たりにして、怒りが湧き上がった。「閉店までディスプレーとして並べるために商品を発注していた。なんてもったいないんだろうと思って。この状況をどうにかしたかった」

 ただその当時は自分が何をどうすれば、フードロスの解消につながるのかはわからなかった。ただ強い信念だけを頼りに、自ら道を切り開いていった。

 大学卒業後は、とにかく「飲食業に何らかのサービスをしている企業」への入社を考え、口コミの情報サービスを手掛けるグルメサイトで働くことにした。ここでは入社1年目ながらもフードロス解消につながる新規事業を提案し続けた。さらにプライベートの時間でもツイッターでフードロス解消にかける思いをつぶやいたり、食事会を開催し、同業者などを集めて意見を交換したりするなど、精力的に活動を続けた。

 ある時、こうした活動が細い糸を手繰り寄せる。自ら主宰した食事会に、コークッキングCEOの川越一磨さんが参加したのだ。

 「私のツイッターでのつぶやきを見て、当時住んでいた山梨県から食事会に駆け付けてくれた。この時ほど、自分の思いを周囲に表明することが大切だと思ったことはありません。川越とはフードロスを解消したいという考えが驚くほど似ていました。聞くと新しい事業としてTABETEを始めたばかりだといいます。自分で事業を始めてみようかという考えもありましたが、ここまで意見が一致しているなら一緒にやろうということになりました」