日々大量の食品が廃棄されている課題に向けて果敢に挑戦するのがコークッキングCOOの篠田沙織さんだ。厳しい食事制限を余儀なくされた白血病を患った経験から食の大切さを実感。フードロスを削減するサービスを立ち上げ、展開している。事業にかける熱い思いを聞いた。

「食べ物を捨てることが許せない。食事の際に友人が残したものも全部食べてしまいます。だから太ってしまう」と笑う篠田さん

厳しい食事制限で「食」の大切さを痛感

 日々当たり前のように食品が廃棄される国、日本。食べられるのに廃棄される食品、フードロスの量は年間約646万トンで、日本国民が1人当たり毎日茶わん1杯のご飯を廃棄していることになる。これは世界全体の食料援助量約320万トン(2015年WFP推計)の約2倍に相当する量だ。閉店間際まで顧客のオーダーに備えて食材を仕込む飲食店に、品切れのないように目いっぱい陳列するコンビニエンスストア――行き過ぎた顧客至上主義が「捨てることを前提にした食品」を生み出している。

 そんなフードロスを少しでも削減したいと挑むのが、コークッキングCOOの篠田さんだ。篠田さんが同社で手掛けるのが「TABETE」というサービス。食料が余ったお店と消費者をつなげる役割を担っている。

 サービス自体はシンプルなものだ。TABETEに登録しているお店は賞味期限や閉店時間が近づいた商品をTABETEのアプリ上に掲載。TABETEのユーザーは掲載されているメニューの中から欲しい商品を選び、クレジットカードで決済。あとは時間内にお店に行って受け取るだけ。お店はフードロスを減らし、お金に換えることができる。一方、ユーザーは通常の商品をより安く買うことができる。TABETEはお店が販売した商品の売価から、一律150円を手数料としてもらう仕組みだ。

 サービスがスタートしてから約1年がたつが、ユーザー数は11万人となり、登録店舗数は約340まで広がった。主要ユーザーは30代~40代の女性。働いていて食事を作る時間がない、でもおいしいものを食べたい、一人で外食するのは気が引ける――そんな女性たちに支持を得ている。

 篠田さんがこのサービスに携わるようになったのは、かつて白血病という大病を患った経験と無関係ではない。小学2年生の時に約2年近く闘病生活を強いられた。「白血病は免疫力がほぼゼロになってしまうので、合併症を引き起こさないよう、食事には極限まで気を使った生活でした。食べられたのはおかゆやほぼ味がしない魚とか・・・・・・。そんな生活だったから退院した時は食に対して強い興味が湧いてきました」