60人が一つの「家族」として暮らす生活

 シェアリングエコノミー協会の設立やシェアビジネスに関する初めての法律、住宅を宿泊施設として提供する際のルールを定めた民泊新法(住宅宿泊事業法) の制定に向けた提言を始め、様々な規制緩和や政策の推進を働きかけていった。さらに、昨年12月には企業と政府が互いの知識や情報をシェアしながら政策を議論する場を提供するパブリックミーツイノベーションという一般社団法人を設立した。「法整備に向けて動いていたときに、企業と政府に大きな壁があることを実感しました。行政と民間をつなぎ、知見やスキルをシェアし、議論することでよりよい社会ビジョンを描いたり政策を立案できればと考えています」

 そして、自らの生活の場においてもある「挑戦」をしている。一般的なシェアハウスから一歩踏み込み、60人の血のつながらない人たちを一つの「家族」として、生活を共にしている。「一人暮らし、カップル、家族など色々な属性の人たちが一つ屋根の下で暮らしています。子どもから60代までいるんですよ。互いにできることをシェアしながら暮らしています。私が住人の赤ちゃんのおむつを替えることもあるし、誰かが私のために食事を作ってくれることもあります。たとえ明日、日本で震災が起きて、すべてを失ったとしても、互いを頼り、助け合いながら生きていける平和な社会をつくりたい。それができるのがシェアリングエコノミーだと実感しています

取材・文/飯泉 梓(日経doors編集部) 写真/鈴木愛子

石山アンジュ

いしやまあんじゅ

内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、シェアリングエコノミー協会事務局長、パブリックミーツイノベーション代表理事

ロビースト
シェアエコ伝道師

1989年生まれ。2012年国際基督教大学(ICU)卒業後、リクルート入社。その後クラウドワークスを経て現職。 総務省地域情報化アドバイザー、厚生労働省「シェアリングエコノミーが雇用・労働に与える影響に関する研究会」構成委員、経済産業省「シェアリングエコノミーにおける経済活動の統計調査による把握に関する研究会」委員なども務める。近著に『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』(クロスメディア・パブリッシング)がある。