悩みぬいてこそ幸せな30代がある
――ドラマの主人公にも抜てきされるようになり、目標とされる主役を張れる女優には近づいてきましたか?
山本 まだまだですね。今はつぼみの状態で花も開いていない。役について考え過ぎてしまう部分もあって。もっと周囲を信頼して、思いっ切り役に没頭したいと思っています。ただ、同じ監督やスタッフさんの作品に呼んで頂く機会もあり、一つひとつの仕事に精いっぱい取り組んできた成果なのかなと思っていて、うれしいことですね。
それに主役を張る女優という目標も大切なのですが、「自分らしく生きる」ということも重要だと思っています。どう働いていけば幸せになるんだろうとか、いろいろと悩むことも少なくないです。ただ、私と同世代の26歳や27歳で転職をされる人も多いと聞きました。転職するということは、今の仕事に何らかの悩みがあったのではないでしょうか。そう考えるとみんな悩んでいて、私だけではないんだなと。今悩むことは間違ってはいない。悩み抜いてこそ、幸せな30代を迎えられると思います。
――悩んだときにはどのようにストレスを解消していますか?
山本 大好きなアニメも見ますし、たくさん寝ることも重要だと思っています。すてきなアニメに出合うと、「あー生きていてよかった」と思うくらいです(笑)。自分に合うストレス解消法も試しています。気持ちが落ち着くお茶を飲んだり、一人で旅行に出掛けたり。その中で自分に合う方法が見つけられればなと思っています。
それに悩んだりストレスを抱えたりしたときも、仕事と大学の両立ができたということが、自信になっていますね。大学は農学部生命科学科で理系だったので課題も多くあり、それをこなしながら仕事をするというのは本当に大変で。親には「大学を4年で卒業できないなら、女優の仕事を辞めなさい」と言われていたので、なんとか4年で卒業しなければと必死でした。周囲の友人にはたくさん助けてもらいました。今後は大学で学んだ科学の知識を生かせるような役にも挑戦していきたいですね。
取材・文/飯泉 梓(日経doors編集部)写真/鈴木愛子 スタイリング/黒崎 彩 メイク/MAKI
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