ふんわりと女性らしい印象の山本美月さん。ただその外見とは裏腹に「主役を張れる女優になりたい」という強い意志を持ち、その目標に向けてひたむきに努力を続けてきた。そんな山本さんにこれまでの軌跡や仕事にかける思いを聞いた。

モデルから女優の道を志した

――雑誌『CanCam』ではずるかわ(ずるいくらいかわいい)モデルとして、人気を集めました。今はドラマや映画にも積極的に出演されています。

山本美月さん(以下、山本) もともとお芝居がしたくてこの世界に入りました。モデルになったのは、CanCamを卒業されて女優になられた方が多くいるので、そういう道もあればと思い、オーディションを受けてみることにしたんです。

――女優志望だったんですね。

山本 はい。「主役を張れる女優になる」という目標をずっと持っていました。ただもちろん、モデルというお仕事も中途半端な気持ちでやっていたわけではないです。CanCamではファッション誌ならではの独特なポージングが求められるのですが、それを身に付けようと必死でした。特に難しかったのは、下半身だけ動かしてスカートをふわっと見せるテクニックです。最初はうまくできなかったのですが、それが悔しくて。洋服を買い取って自宅で自主練をしたこともあります。結構負けず嫌いなんですよ(笑)。他の人ができるのに自分はできないのは嫌だなと思って。

 モデルとしてのスキルを磨くことだけでなく、スタッフの皆さんといかにいいコミュニケーションを取れるかも重視してきました。礼儀正しくいたいと思っていましたし、誰かに対して失礼なことは絶対にしたくない。当たり前のことですが、着用した洋服はスタッフの人に丁寧に渡すなど、仕事をする人間としてあるべき姿はいつも意識してきました。