生理痛やPMS(月経前症候群)など生理に伴う症状に悩まされる女性は少なくありません。柿沼あき子さんも生理の諸症状に苦しんできたひとり。頑張りたいけど頑張れない。生理を負担に感じ、改善方法を模索する中で芽生えたある思いとは?

柿沼あき子(よしたね・れい)
ベイクルーズ「EMILY WEEK」ブランドコンセプター
柿沼あき子 1985年神奈川県生まれ。33歳。女子美術大学絵画学科卒業後、IT関連企業に新卒入社。Webディレクターを務めた後、Webプロモーション企業へ転職。2014年、アパレル企業のベイクルーズへ入社。社内の新規事業コンテストをきっかけに女性のバイオリズムに寄り添うライフデザインを提案する「EMILY WEEK」を立ち上げる。

生理は「耐える」のではなく自分を「いたわる」もの

 柿沼あき子さんがコンセプターを務める「EMILY WEEK」は、女性の体のバイオリズムに着目したライフスタイルブランド。ウエアや雑貨などファッションを通じて生理や女性特有の悩みにアプローチする新しい発想は、幅広い世代の女性をはじめ多くの企業から注目を集めています。「自分が考えていたことが商品として形になり、プロモーションを通じてお客様の手に届く。ダイレクトに反響をいただけるのが一番のやりがい」と笑顔で語ります。

 「いまだ『生理』は、タブー視されているところがあります。下着屋さんではサニタリーショーツだけ裏に置かれていたり、ナプキンを買うと紙袋に隠されたり。制度はあっても生理休暇は取りづらい、という話もよく聞きます。生理痛や貧血があっても無理をして頑張らざるを得ない女性が多いのではないでしょうか。体の大事な機能だからこそ、生理期間をもっとポジティブに過ごすお手伝いができないかと考えています」

 「EMILY WEEK」が展開するのはオーガニックコットンやシルクなどナチュラルな素材を使ったサニタリーパッドやパンティライナー、サニタリーショーツ、ウエアなど。体のリズムに合わせて気分をケアするアロマ製品も扱っています。「体にフィットするけど締め付けないデザイン。手に取った時に気分が上がるような色展開、通気性がよく肌触りのいい素材にこだわっています」と語ります。

 こうした柿沼さんの取り組みは徐々に社会に広まり、大手生活用品メーカーとともにプロモーションを展開したり、登壇者としてイベントに招かれたりする機会も増えたそう。

 「昨今、企業の商品企画では女性側の発信が注目される傾向にありますし、生理に対する社会の意識も徐々に変わってきたと思う」と手応えを感じています。

「週に数日は店頭で接客します。地方から来店されるお客様も多いんですよ」
「週に数日は店頭で接客します。地方から来店されるお客様も多いんですよ」