「大手への就職」がゴール? 怖いのは「思考停止」

 イベントを開催する一方で、多様な生き方を追う記事を書きたいという思いもある。現在、大学生には、中長期のインターンシップや海外留学など在学中から様々な選択肢があり、卒業後に起業をしたりベンチャー企業に入社したりする機運も高まっている。しかし周囲を見回すと、大手思考で視野が狭く、安定した企業への就職をゴールと考えている学生も多い。

 三田さんに学内の様子を聞くと、「働き方を変えよう、転職してキャリアアップしようっていう熱意があるのは大学生より上の世代。時代の波に乗ってフリーランスになりたいという声も学生の中にはあるけれど、理由を聞くと『ラクをしたいから』。本質が違うと思う」という。

 多様な生き方があるからこそ、自分らしい人生を選びきれず、思考が停止してしまうという見方もできる。流されるままに生きて大手企業に就職すれば、力む必要もない。しかし、卒業後に海外へ渡航する「ギャップイヤー」など就職以外の道を選ぶことが、成功への近道になることもある。

 「目の前にいろんな選択肢があることを知らない学生もまだまだ多いと思います。私自身、noteをきっかけに人脈が広がり、将来の選択肢が無限にあることに気付きました。この事実を知らないまま生きていくのはもったいない。選択肢が増えるのに比例して不安も膨らみますが、思考を停止したら人生はそこで止まってしまいます。今後は、新しい選択肢に気付いてもらえるような記事も生み出していきたいですね」

思考停止が一番怖い。今の大学生にも、目の前に色んな選択肢があるということを発信していきたいですね

 幼少期から劣等感を抱きながらも、消化しきれない気持ちを刺激に変えて成長し続けてきた三田さん。現在はウェブメディアの企業のインターンシップに参加し、ライターとして活躍しているが、卒業後はどのような進路を選ぶのだろうか。成功後の苦しみを理解している彼女だからこそ、今後が楽しみだ。

取材・文/華井由利奈 写真/工藤朋子 構成/浜田寛子(日経doors編集部)