7歳の頃からモデルとして活動し、現在は女優としても注目を集める三吉彩花さん。8月16日公開のコメディ・ミュージカル映画『ダンスウィズミー』では主演を務め、見事な歌やダンスを披露している。着実にキャリアを積んできた三吉さんだが、本人は「やっとスタートラインに立てた」と話す。その言葉の背景には、どのような思いがあるのか――。ネガティブだった自分がポジティブに変わった転機、今後はアジアで活躍したいという仕事の目標、「自分軸」を大切にする美の価値観などを聞いた。

三吉彩花(みよし・あやか)
女優・モデル
三吉彩花 1996年生まれ。7歳の頃からモデルとしてデビューをし、ティーン向け雑誌『nicola』などに出演。その後、アイドルグループ『さくら学院』のメンバーや、雑誌『Seventeen』の専属モデルとしても活躍する。2012年、映画『グッモーエビアン!』での演技が評価され、第67回毎日映画コンクール、第35回ヨコハマ映画祭で新人賞を受賞。8月16日公開、矢口史靖監督の『ダンスウィズミー』では主演を務める。

意識的に「ポジティブ」な状態を保つ

――7歳の頃からモデルとして活動している三吉さん。現在は女優としてもお仕事の幅を広げられていますね。映画『ダンスウィズミー』では、見事な歌やダンスも披露されていて、努力して主演を務められた姿が印象的でした。三吉さんは、お仕事をする上で、どのようなことを心掛けていますか?

三吉彩花さん(以下、三吉) 普段は、ネガティブにならないように思考を変えることを意識していますね。このお仕事は、毎日いろんな人と出会い、いろんな人と話をします。お芝居では同じ役者さんと毎日顔を合わせますが、同じシーンを撮ることはない。日々、環境が変化する中で、人に対してのコミュニケーションが重要な仕事なので、自分が気負いしてしまうと精神的に疲れてしまい、体力的にもしんどくなってくると思うんです。

 ですので、自分の思考を無理やりポジティブにして、あんまり考えすぎないようにしていますね。失敗をしてもずっと引きずらずに、フラットな状態を保つようにしています。

――そうなんですね。ポジティブにしようと意識されたきっかけは何ですか?

三吉 20歳ぐらいの頃ですね。20歳って、人生のターニングポイントだったと思うんです。いよいよ大人になって、女優としても仕事の幅が広がり、モデルとしてもいろんな仕事を任せてもらえるような時期でした。

 10代の時と比べて自分自身も変化してきたので、「自分がどうありたいか」を考えるようになりました。全員に好かれるのは難しい、どういう人と自分はフィーリングが合うだろうか、など、いろいろ考えました。実は、人間関係の断捨離も結構したんですよね。

20歳は1つのターニングポイントでした。「自分がどうありたいか」を考え、意識的に物事をポジティブに捉えるようになりました
20歳は1つのターニングポイントでした。「自分がどうありたいか」を考え、意識的に物事をポジティブに捉えるようになりました

――小さい頃からお仕事をされていたからこそ、20歳で立ち止まって考えられたんですね。それまでもポジティブな性格だったんですか?

三吉 いえ、学生時代はすごくネガティブだったんです。でも、ネガティブな考えのままでは何も生まれないので、切り替えました。自分がポジティブになったら、明るい人たちが周囲に集まって仲良くしてくれるようになり、いい人間関係の輪が広がっていきました。「このスタンス合ってるな」と気付いたその時から、物事を前向きに捉えるようになりましたね。

 もちろん、お仕事をしていると落ち込んでしまう時もありますが、特に人に話したり、愚痴をこぼしたりはしません。マネジャーさんと議論をすることもありますが、決してネガティブなことや、誰かを傷つけてしまうようなことは言いません。言葉は慎重に選ぶようにしていますね。