影響を受けた父の言葉

――ご両親も経営者であることが大きく影響していると思いますが、心に響いている言葉やアドバイスはありますか?

眞琴 小学生のとき、父がコールセンターを始めるため、電話回線を導入したときがありました。でも、その1週間後くらいに電話回線が200万円ほど安くなったんです。それに対して私は「(後から導入したら安く済んだのに)残念だね」と言ったのですが、父は「全然残念ではないよ。いつか安くなると思って待っていてはダメ。1週間でも早く導入したことに意味があるんだよ」と言ったんです。

 当時はあまり理解できていませんでしたが、今はその1週間に200万円の価値があると思っています。スピード感は本当に大切ですし、「今後どうなるかな……」と考える前に行動するスタイルは、私たちの経営理念にも通じるところはあると思います。

美樹 私も父の言葉に影響を受けていますね。ある時、父が会社の忘年会で社員に対して、「世界が滅亡しそうになっても、ノアの箱舟みたいな大きな船でみんなのことを助けに行くからね」と言っていたんです。言葉だけ見るときれいごとに見えるかもしれませんが、そのときの父の目がとてもキラキラしていて、「心からそう思っているんだろうな」と感じました。私も、社員に対してそういう気持ちで接したいと思いましたし、経営者としての在り方はとても勉強になりました。

「人の人生に関われること」が1番のやりがい

――今は、どのようなときにやりがいを感じますか?

眞琴 b-monsterの名前の由来はいろいろあり、「Be the monster」(想像を超えた存在になる)という意味もその1つなのですが、会社もお客様も、本当に「想像を超えて」成長していっているなという実感はあります。

 例えば、「b-monsterのおかげで15kg痩せて、今度フルマラソンに出ようと思います」というお客さんがいたり、社員の中にも「美樹さんや眞琴さんに影響を受けて今度、起業をしたいと思います」と言ってくれる人がいたりする。b-monsterに関わって前向きになる人が増えていることは、本当にうれしいですし、やりがいも大きいですね。

「b-monsterのおかげで前向きになれた」という話を聞くと、とてもやりがいを感じます
「b-monsterのおかげで前向きになれた」という話を聞くと、とてもやりがいを感じます

美樹 私も、眞琴と同じですね。起業するために社員が辞めるときも、その社員が会社を辞めてしまうこと自体は悲しいですが、「起業したい」という前向きな理由なのでうれしさもあります。

 先日、「b-monsterに10カ月通い13kg痩せたら、性格まで前向きになった。自分も誰かの人生を変えたいと思ってパフォーマーになりたいです」と面接を受けに来てくれる人がいたんです。ただのボクシングジムだけど、ここまで人の人生を大きく変えているんだと実感できたことは、とても幸せでした。