慶応義塾大学4年生でデンマークに留学中の能條桃子さんは7月末に実施された参議院選挙の投票2週間前に「NO YOUTH NO JAPAN」という団体を立ち上げ、インスタグラムで若者に投票を呼びかけ、波紋を広げました。思ったら即行動の能條さんの信念とは?

能條桃子

のうじょう・ももこ

大学生、NO YOUTH NO JAPAN代表

大学生
学生団体代表

慶応義塾大学4年生。休学中。若い世代が政治に興味が薄いことに問題意識を感じ、若者が積極的に政治に関与するデンマークに留学。今年7月に「NO YOUTH NO JAPAN」を立ち上げ、インスタグラムで政治に関するコンテンツを投稿し、話題を呼んだ

政治の投稿、1週間で1万5000人がフォロー

 参議院選挙投票日だった7月21日。その約1週間前にインスタグラムにアップされたあるコンテンツが話題になっていた。それが「NO YOUTH NO JAPAN」という団体の投稿。なぜ若い世代が選挙に行くべきなのか、そもそも投票はどう行うのか、各政党の政策の違いなどが分かりやすく書かれてあり、政治に興味がない、分からない人でも簡単に情報を得ることができる。インスタグラムに政治という異色の内容だったことにも注目が集まり、政治に関心がないと言われる多くの若者にシェアされ、あっという間に1万5000人のフォロワーがついた

NO YOUTH NO JAPANの投稿。分かりやすく、クールなデザインを心掛けた
NO YOUTH NO JAPANの投稿。分かりやすく、クールなデザインを心掛けた

「意識高いね」と一蹴される日本

 この一連の投稿は、ある大学生の思いつきからスタートしたものだ。それが慶応義塾大学4年生の能條桃子さん。準備を始めたのは投稿日の1週間前。「若い世代の投票率アップのために、何かできないかを考えて、とにかく動き出してみようと。以前から若い人にもっと政治に興味を持ってほしいと思っていました」と胸中を明かす。

 「私は神奈川県平塚市の出身なのですが、小学校や中学校時代に地域のためのボランティア活動をすることが多く、社会に貢献したいと考えていました。ただ、初めて選挙権を持った18歳になったとき、多くの同世代の友人は政治に興味を持っていないことに気付き、驚きました。その後ある政治家の選挙活動にインターンシップとして参加したのですが、若い人に届いたかというと正直手ごたえがありませんでした。友人たちからの反応も『意識高いね』といったものが多かったです。ただ、そんな風に話す友人たちに、選挙に行った方がいいと厚かましく語れるほどの知識や自信がなかった。それがとても心残りだったんです

 その思いを胸にデンマークに留学を決めた。デンマークでは若者の政治に対する意識が高く、投票率も80%を超えている。それを学びたいと考えたのだ。現地では出会った大学生4人とともに、「わたしたちの北欧がたり。」という共同ブログメディアを立ち上げ、政治参加の状況などや学んだことを発信するといった取り組みを始めた。

 「デンマークでは今年5月に国政選挙があったのですが、多くの若い人が選挙について議論しているし、大きなイベントとして捉えていました。日本とは教育や政治の構造的な仕組みなどいろいろな違いがあります。日本の教育や政治の仕組みも変えていければと思うのですが、一大学生の私がすぐには大きな枠組みを変えられない。それでも、現地の学生団体にインタビューしながら、デンマークではなぜ若い世代の政治参加が盛んで投票率が高いのかを考え、今、自分ができることがあるのではないかとウズウズした思いを抱きました。そして、勢いだけでNO YOUTH NO JAPANの活動を始めました

デンマークに留学し、政治に積極的に参加する若者にインタビュー。能條さんは写真一番右
デンマークに留学し、政治に積極的に参加する若者にインタビュー。能條さんは写真一番右