一番の不安は「好きを仕事にすること」

── そもそも、村瀬さんはどのような経緯で東映アニメーションに入ったのですか?

村瀬 『プリキュア』もきっかけの1つとしては大きくて。実は私は、プリキュア世代よりちょっと前の生まれで、初めてちゃんと見たのは大学生の頃だったんです。実家から離れて一人暮らしをしていた4年間、『スマイル(プリキュア!)』『ドキドキ(!プリキュア)』『ハピチャ(ハピネスチャージプリキュア!)』『ゴープリ(Go!プリンセスプリキュア)』と、「日曜の朝」の枠をずっと録画して毎週見て涙を流していました(笑)。もう、日常の一部でしたね

『プリキュア』にハマったのは大学生のときでした
『プリキュア』にハマったのは大学生のときでした

 そんな流れから、「自分は、テレビと物語が好きで、『物語を作れる映像の会社』に入りたい」と思い、物語の2軸であるテレビ番組のなかでも「アニメ」と「ドラマ」を制作する会社を中心に就職活動をし、東映アニメーションに内定をいただきました。

 実は、内定をいただいてから、「好きなことを仕事にしていいのか」ものすごく悩んでしまって。そこで、改めて東映アニメーションにOB訪問をさせていただいたんですが、そのときの先輩が、「20年間ずっと好きだったことを、そう簡単に嫌いにならないんじゃないかな」と言ってくださって。私のことを真剣に考えてくださっているのがありがたかったし、何よりその言葉がストンと腑(ふ)に落ちました。

 もう1社、映像関連の会社から内定をいただいていたのですが、「先輩が明確に『大丈夫』と言ってくれるなら、東映アニメーションで挑戦してみよう」と思って、入社を決めました。