性別は関係ない! 現場で身に付けたプロデューサー感覚

── 入社して、わずか3年でのプロデューサー起用。そこに至るまで、仕事で心掛けていたことはありますか?

村瀬 入社して、配属後すぐに製作現場で学ぶ機会をいただきました。今、「新人時代に経験できて良かった」と思えるのは、「現場にいた」ことです。監督やアニメーターさんなどスタッフさんがいる制作部屋に半年間ぐらい常駐し、事務的な仕事も含め、アニメ制作に必要なものを学ぶなかで、現場の空気感がつかめた気がしました。それは、(全体を見渡す立場になった)今に、大きく生きていると思います。

 その後、プロデューサーのもとで、映画2本、テレビ1本の制作をつぶさに見ていました。そこで思ったのは、人によってやり方が全然違うということ。性別は全く関係なくて(笑)、自分のやり方を見つけていくしかないなと思いました。

 私の場合は、主に男性プロデューサーのアシスタントに付き、打ち合わせは毎回同席して、メモを取ったり、メールやチェックした物を戻したりしていました。そのうち、1人で出席した打ち合わせの要点をまとめるなど、ベーシックなことは自分で判断できるようになりました。

 そこで意識したのは、「プロデューサーと同じ心持ちになる」ということです。目の前にいるプロデューサーが、「今、何を考えているか」を分かるようになりたいと思いながら観察し、動くようにしていました。また、打ち合わせに出て報告する際、自分が思ったことも伝えてみるなど、工夫していきました。

新人時代に制作現場を経験できたことが、今につながっています
新人時代に制作現場を経験できたことが、今につながっています