「いつか辞めよう」副業や転職を試みたことも

 派遣社員として証券会社で働き始めたものの、想定外のキャリアと、慣れない仕事。残業続きの毎日が続き、最初の派遣先は1年で退社。すぐにキャリアの軌道修正はできなかったため、証券事務を担当する派遣社員として、26歳のときに日系証券会社に勤務し始めました。

 「当時は、派遣先企業で正社員になるという道が王道だったこともあり、2年目には私も正社員になれました。でも、『いつ辞めようか』と考える日々が続いて。とにかく抜け出したかったので、個人輸入ビジネスの副業から独立を目指したり、せっかくならより給料の高い環境のほうがいいと思って、給与水準の高い外資系企業に転職を試みたり。現状を変えるためにもがきましたが、『今の仕事が嫌だから』というネガティブな理由で始めた活動は、どれもうまくいかず途中で断念しました」

 そんな藤原さんの転機となったのは、28歳のときに読んだある本でした。

28歳で訪れた転機、仕事を面白くする秘訣とは

 「当時ベストセラーになっていた、浅見帆帆子さんの『あなたは絶対! 運がいい』という本を読んで、『もともと私は海外でバリバリ働きたいという夢を持っていたな』ということを思い出したんです。そのときに、今のまま現状をマイナスに捉えていてはダメだと思って、まずは『今いる場所で、できることをしよう』と考えるようになりました」

 このときを境に、「仕事に対する姿勢が変わった」と、藤原さんは語ります。「上司から言われたことをやるだけでなく、自分で考えて仕事をするようになりました。例えば、30分かかっていた事務作業を、10分で終わらせるような仕組みを考えるなど。ゲーム感覚で、昨日よりも早く、効率的に仕事を片付けていくことに楽しさを感じるようになったんです」

転職や社内の評価アップにつながる実績の作り方

 業務改善にやりがいを見いだした藤原さんは、上司と相談しながら、それまで手作業で行っていた事務作業を半自動化するシステムを導入。職場のミス削減に貢献しました。そして、それが社内でも評価され、部署内の業務改善コンテストで優秀賞も受賞したと言います。

 こうした自身の経験を踏まえ、「仕事での実績は営業職でないと作りづらいと思うかもしれませんが、実は営業職以外の方でも作れます」と、藤原さん。

 「職場の中で改善できる業務を見つけ、ミスやコストを下げる仕組みを作ったり、システムを導入したり。会社のメリットとなるなら、外部委託や海外へ業務委託という選択肢を提案するのもいいでしょう。『ミスが年間○件から○件に減った』『コストが○円下がった』『業務効率が○%上がった』という改善は、立派な実績です。もちろん、業務改善は勝手に進めることはできないので、上司への相談は必要。その提案から実行までの過程が職場での評価アップにもつながりますし、転職活動時に語れるエピソードにもなります