安定と挑戦、どちらを選ぶか

 「新卒時にディスカウントストアを選んだのは、学生時代にコンビニエンスストアでアルバイトをしていて、そのときにも売り場作りや後輩の教育を担当していたからです。学生時代のアルバイト経験を生かせる仕事でしたし、私はマニュアルに沿って業務を正確にこなすことも得意だったので、新卒時には『経験』と『得意』を生かせるディスカウントストアに就職しました」

 人間関係も良好で、自分の「経験」と「得意」を生かして働ける仕事のため、「安定して働ける環境だった」という根本さん。しかし、ルーティンワークが続く毎日の中で、いつしか「興味のあることにチャレンジしないままでいいのだろうか?」「やりたいことや好きなことに挑戦しないままで後悔しないだろうか?」という疑問が大きくなっていきました。

 とはいえ、転職への思いがピークに達したのは、2020年6月ごろ。コロナ禍で、食品や日用品を扱う小売店の需要が日に日に高まっていたときでした。

 「当時、勤務していた店舗で働く社員は私1人だけ。商品の納品数や売り上げも増加し、パートの方たちの負担も大きくなっていた頃だったので、今後の店舗運営のことを考えると、なかなか転職に踏み切れずにいました

 こうした状況の中で転職を決意できたのは、30代のある女性パート従業員の存在があったからだといいます。

「今後の店舗運営のことを考えると、なかなか転職に踏み切れずにいました」
「今後の店舗運営のことを考えると、なかなか転職に踏み切れずにいました」