人間関係の築き方、円満退職の秘訣は?

 「上司と相談し、2021年2月に退職。有給消化のため2020年12月に勤務を終えることが決定したのですが、それを他のメンバーに報告すると、率先して私の業務を分担してくれるようになりました。『この業務はどうやるんですか?』と積極的に聞いてくれ、私が退職しても業務に支障がでないようにサポートしてくれたので、私もより一層、転職活動を頑張ろうと思えたんです」

 店舗運営の中心人物であった根本さんが退職すると、必然的に他のメンバーの負担は大きくなります。それでも周囲が応援してくれたのは、普段からメンバーとの信頼関係が築けていたから。「まずは何事も自分から進んで動くようにして、信頼を得ました」と、根本さん。

 「私よりも勤続年数の長い年上のパートの方がたくさんいたので、まずは真面目に仕事に取り組む人間だと理解してもらえるようどんな仕事も率先してやりました。その上で、業務の改善点などがあれば、理由を添えて、自分の言葉でしっかりと各メンバーに伝えました

「業務の改善点などがあれば、なぜ改善したほうがいいのかという理由を添えて、自分の言葉でしっかりと各メンバーに伝えていました」
「業務の改善点などがあれば、なぜ改善したほうがいいのかという理由を添えて、自分の言葉でしっかりと各メンバーに伝えていました」

 さらに、根本さんはそれぞれのメンバーの人柄や性格に合わせて、「依頼する業務内容は変えていました」と、語ります。「円滑に仕事を進めていくためには、適材適所であることが大切です。そのため、それぞれの得意・不得意に合わせて任せる業務を割り振ったり、性格に合わせて頼み方を変えたりしていました

 周囲に応援され、転職活動に踏み切った根本さん。しかし、異業種・異職種への転職は簡単なことではなく、書類選考を通過するのに苦労したといいます。

 下編では、書類選考に通過するためのコツを紹介します。

下編「転職で直面する書類選考の壁 通過した自己PR文公開!」では、次のストーリーを展開

■未経験転職者が直面した書類選考の壁
■経験や実績だけでなく、○○をアピール
■書類選考に通過した自己PR文のポイント
■「伝える」ことよりも大切なこと

取材・文/青野梢(日経xwoman doors) 写真/鈴木愛子