すぐに転職しなかったワケ
2回目の転職を決意した柳沢さんは、再び転職サイトで求人を検索。同時期に、先に転職先を決めていた上司から、「次に行く会社(KALOS BEAUTY TECHNOLOGY)で一緒に働かないか?」と声をかけられたといいます。
「上司は美容機器や健康家電の開発に精通している人で、役員としてKALOS BEAUTY TECHNOLOGYに参画することが決まっていました。とても信頼できる方ですが、1回目の転職を『勢い』で決めて失敗したので、すぐに転職を決めることはできず、自分の中でじっくり検討してから転職先を決めようと思いました」
失敗から学んだ教訓、働く上で「ゆずれないポイント」
同じ轍(てつ)を踏まないように、柳沢さんはまず、働く上で「ゆずれないポイント」を把握しました。
「今度は長く働ける会社に転職したいと思ったので、まずは1社目の退職理由と2社目の退職理由を洗い出しました。『長く働ける会社=これまでの離職理由に該当しない会社』だと思ったからです。さらに、興味のある仕事や働き方についても書き出し、働く上でゆずれないポイントを絞り込んでいきました」
●1社目の退職理由
・興味のない分野だった
・決められた仕事しかできなかった
●2社目の退職理由
・残業が多く、休日に仕事の連絡がくる
・有休が取れず、年間休日が120日ない
●興味のある仕事や働き方
・美容家電メーカーで働く
・化粧品メーカーで働く
・研究職で働く
・販促企画職で働く
・ものを作る仕事をする
・化学系の開発職で働く
・幅広い仕事に挑戦できる
書き出した「ゆずれないポイント」を基準に、柳沢さんは転職サイトで見つけた「興味のある会社」に3社ほど応募。そのうち1社は面接にも進んでいましたが、最終的には上司から誘われた現在の会社に転職を決めました。
転職の決め手や、上司が柳沢さんを引き抜いた理由は何だったのでしょうか? 下編では、リファラル採用を引き寄せ、周囲から「推薦される人」になる秘訣をお伝えします。
取材・文/青野梢(日経xwoman doors) 写真/小野さやか