テレワークで求められる力とは?

 工藤さんが今回の転職活動で応募したのは、合計4社。そのうち3社は面接に進み、8月中に2社内定を獲得。面接では、テレワークだからこそ必要な力をアピールしたと言います。

 「テレワークでは、出社時と同様の生産性を維持することや、コミュニケーション不足に陥らないよう、メンバーとの連携が重要だと思いました。そのため、面接ではオンラインイベントを開催したときにも発揮した『巻き込み力』と『推進力』をアピール。自分の言葉で面接官と話すことも大切だと思ったため、想定質問に対する回答を自分で用意し、本番で自信を持って話せるように練習もしました」

 内定を獲得した2社のうち、転職先である現在の会社――hacomonoで働くことを決めたのは、完全テレワークで働けて、かつ、今後の成長が期待できる事業だと感じたから。「操作性とデザイン性を兼ね備えたシステムを提供していて、そのブランディング力の高さに魅力を感じていたので、入社を決めました」

 こうして2020年11月にhacomonoに入社し、東京でテレワークを開始した工藤さんですが、翌2021年2月には北海道に移り住みます

 後編では、どのようにして会社に移住の相談をしたのか、移住のメリット・デメリット、テレワークのコツなどをお届けします。

下編「北海道移住×テレワーク 働き方の自由を実現した32歳」では、次のストーリーを展開

■テレワークで、移住が現実的な選択肢の1つに
■近場ではなく、あえて遠方に移り住んだ理由
■「地方移住×テレワーク」を会社に認めてもらう方法
■地方移住のメリット・デメリット
■テレワークで生産性を上げるコツは?
■目標は業界のコミュニティマネージャー

取材・文/青野梢(日経xwoman doors) 写真/本人提供、鈴木愛子(取材時写真)