数々の報道番組で活躍している小川彩佳さんに、キャリア形成の秘訣を聞く連載企画「アナウンサー・小川彩佳のnext doors」。今回は、地上波で放送されているテレビ番組とネット番組、それぞれの出演経験を振り返り、番組間の「異動」で新しい扉を開いた話です。

ネット番組は「出たとこ勝負」 判断力が問われる

―― 最近、様々なバラエティー番組やドラマが、ネット番組で盛り上がりを見せていますよね。テレビとネット、双方のニュース番組に出演してみて、どんな違いを感じましたか?

小川 テレビで見る地上波のニュース番組は、時間に限りがありますよね。そして、その日に入ってきたあらゆるニュースを網羅しなければなりません。そのため、大事件が起きても、例えば15分程度で情報をまとめ、ゲストにコメントを聞く、そして、次のニュースへ、という流れが一般的です。

ですが、私が出演していたネット番組『Abema Prime』は、時間の制約なくその日の大テーマとするニュースをとことん掘り下げよう、というスタンスでした。出演者との打ち合わせは短く、20分ほどで終わることも。放送時の流れやテーマを簡単に説明して軽く感想を聞くだけで、コメンテーターに対して事前に細かい聞き取りを行うことはほとんどありませんでした。

だからこそ、本番中はゲストやコメンテーターに自由に意見を語ってもらい、ライブ感が溢れたおもしろい化学反応が起きるのだと思います。「出たとこ勝負」ができるのはネット番組ならでは。その分、司会進行役として誰にどの話を振るか、議論をどの方向に持っていくか、など、判断力が問われる仕事でした。