数々の報道番組で活躍している小川彩佳さんに、キャリア形成の秘訣を聞く連載企画「アナウンサー・小川彩佳のnext doors」。最終回となる今回は、会社員ではなくフリーランスという働き方を選んだ小川アナの「自分軸に基づいたキャリア形成」について聞きました。

フリー転身の理由は「自分なりの働き方改革」

―― ライフプランとキャリア形成など、今後の人生を考えてフリーアナウンサーに転身した小川アナ。なぜ、「転職」ではなくフリーランスになる道を選んだのでしょうか?

小川 一番大きな理由は健康管理です。「自分なりの働き方改革」と言うと大げさかもしれませんが、自身の望む働き方を探っていくためにフリーになる道を選びました。今後は仕事量をコントロールして、今まで以上に心身の健康を大切にしていきたいと思っています。

 もう一つの理由は、時間の使い方を見直したかったから。今までは、午前中に家で仕事をして、昼に出社。打ち合せや収録をして、帰宅後は疲れて人に会う気にはなれず、土日も疲労回復のために寝てばかり……、という生活が続いてしまうこともありました。これからはメリハリのあるスケジュールで、人に会う時間を増やしたいと思っています。

 そうすれば、人に聞いた話を効率よく仕事に還元することができ、プライベートも充実するのではないかなと。もし子どもを授かれるようになれば、状況が変わってくる可能性もあると思います。フリーアナウンサーとして、「自分軸」でキャリアを選んでいけたらベストですね。

今後、どんなライフイベントがあっても「自分軸」でキャリアを選んでいきたいですね
今後、どんなライフイベントがあっても「自分軸」でキャリアを選んでいきたいですね

「育休」のないフィリピンの働き方を知って

―― 子育て中の働き方について、理想はありますか?

小川 先日聞いた話なんですが、フィリピンには育休という制度が存在しないそうです。古くから女性が社会を支えてきたため、女性は1~2カ月程度の産休を取得し、すぐに職場復帰。子どものケアはベビーシッターや夫が交代で担当したり、保育園に預けたりするケースが多いそうです。

 一方で日本は、女性が産休・育休を取るものだという考え方が根強く残っています。復帰するときに保育園を探すのも女性なら、時短で働くのも女性。フィリピンの働き方を100%支持するわけではありませんが、日本にももっといろいろな働き方があっていいんじゃないかと思うんです。

 セクハラやパワハラ、LGBTなどに対する考え方が大きく変わってきたように、子育ても時代とともに今後変容していくでしょう。私はまだ子どもがいないのでこれから模索していくところですが、多様な選択肢を自由に選んで、周りが「そういう生き方もあるよね」と受容できるような環境になればと思います。