「きっと大丈夫。~私の乳がんダイアリー~」というタイトルの本が出ました。がんという病気の中で、唯一「セルフチェック」が発見につながるのが乳がんです。この本をきっかけに、セルフチェックの大切さを伝えられたらと思っています。今回は、その本についてのお話から。

【は】ばあちゃん携帯

 時々、大分のおばあちゃんから電話がかかってきます。その時に表示される名前は「ばあちゃん携帯」、そのままです。「もしもし? ばあちゃん、美紀だよ」と答えると「本は? どうやったら買えるの?」とのことでした。「私から送るよ」と言うと「近所の方も気にかけてくれてるよ」と。小さい頃、私をかわいがってくれたおじいちゃんおばあちゃんたちも、書籍の出版を楽しみにしていたみたいでした。

 想像以上に多くの人が喜んでくれている様子に、離れた場所からももっと頑張る姿を届けられるようになろう、と思いました。

【ひ】病院での出会い

 病院に通ってるとき、私が出演した番組を見てくれていた方や、NHKで放送されていた『#乳がんダイアリー 矢方美紀』を毎回見ています、という方から声をかけて頂くことがありました。「矢方さんですか?」。まさか自分のことを知ってくれているなんて驚きしかないのですが、みなさん自分が思っている以上に私を気にかけてくれていて。

 私は普段の生活のことや病気に気づいた経緯などあれこれ話してるけれど、声をかけてくれた方たちは、年齢も違えば住んでる場所も違う。この出会いはすごいことだなぁ……と幸せになりました。一人だけど一人じゃないって感じた瞬間でした。