こんにちは、矢方美紀です。人生の中で「初体験」って、いろいろありますよね。テレビでご覧になった方もいるかもしれませんが、私は先日野球の始球式を初体験しました。この日のために、野球経験のある事務所の人たちと数日前から公園で投げる練習をした私。そのかいもあって、なかなかのナイスピッチングだったのでは…と自画自賛しております。さて、今月の「矢方美紀のあかさたな」は、「やゆよ」をお届けします。後半の一問一答もお楽しみに!

【や】矢方美紀

 私は今年で27歳になりました。小学生や中学生の頃は、「きっと23歳くらいで結婚しているだろうな」とか、将来働いている自分の姿を、なんとなく思い描いていました。そこから十何年とたち、当時からの夢だった「声優」という目標を、私は今も変わらずに追いかけています。

 自分がやりたかったことをやり切れているわけでも、なりたかったものになれたわけでもなく、まだまだ完璧じゃないって不安になることもある。でも私は、今の「矢方美紀」が今までで一番好き。それを毎日更新できている気がします。この先もずっと、「今の自分が一番好き」をアップデートし続けていく気持ちは、忘れないでいたい。

【ゆ】勇気

 昔から「自分から進んで何かをやる」という勇気がなかった。学生時代は、発表会や挙手制で決めるもの、社会人になってからは、オーディションだけじゃなく、混み合った電車内で降りたいときの「すみません」という一言さえも。

 ただ、後から言えなかった後悔や、できなかった後悔がたくさん押し寄せてくる。その度に勇気のない自分に嫌気が差していました。

 過ぎてしまったことは変わらないし、変えられない。だったら、後悔する前に「ほんのちょっとの勇気」を出して自分から行動してみたらどうだろう?と、あるとき、意識を変えてみたんです。そうしたら、うれしいことや良かったことが徐々に増えてきた。

 私と同じように引っ込み思案な誰かが、こんな私の姿に勇気づけられてまねしてくれたらうれしいな。そう願いながら、今日も「ほんのちょっとの勇気」を続けていこうと思います。

【よ】夜

 これからの自分自身のことや、家族のこと、周りのことをいろいろと考えてしまうときって、誰にでもあると思います。一日の中で、私は夜にあれこれ考えてしまうことが多いです。

 ただその時間から考え出すと、どんどん煙のような不安に包まれ、暗い場所に吸い込まれ落ちていきそうになります。気づいたら、涙も出ていたりして。特に病気になって間もないころは、そんな日ばかりでした。きょうも夜が来てしまう、それが何よりも不安でした。

 そんな暗闇から抜け出せた理由はたった一つ。それは夜ではなく、朝や昼に考えること。同じ考え事でも、朝や昼には、プラスに考えることができたのでした。そのことを発見してからは、夜はただただ明日の朝ごはんを考えながら寝ることにしています。