なぜ、初心者には「投資信託」なのか

 投資信託は、株式や債券などを自分で選ばず、任せて間接的に投資ができる仕組みで、1000円未満という少額から可能です。

 例えば、日本の株式に投資をするタイプの投資信託なら、日本の株式会社の中で数十社から数千社の株が既にパッケージされており、この投資信託を1000円買うと、1000円の中でたくさんの会社の株式に投資をすることができます。当然、パッケージしてもらうなどの手間代として「信託報酬」(=運用管理費用)を払うことになります。近年、この費用が安い魅力的な商品が増えてきました。

 投資初心者の人には、この「信託報酬」(=運用管理費用)が安い商品から始めるのもよいでしょう。「信託報酬」が高くても魅力を感じる商品などが分かってきたら視野を広げてみてもいいですね。

投資信託、どうやって始めるか

 手続きの方法はいろいろあります。

 勤めている会社が企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入しているなら、その掛け金(企業を通じて毎月積み立てる拠出金)で買う商品を自分で選ぶことになります。その商品ラインアップの中には、必ず投資信託があるので、その中から選ぶ方法が最も手続きが簡単です。

 勤めている会社に企業型確定拠出年金がない、またはフリーランスなどで働いている人は、個人型確定拠出年金(iDeCo)に申し込み、その商品ラインアップの中から投資信託を選びます。

 企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)は、いわゆる老後資金のために積み立てるための制度で、60歳まで引き出すことができませんが、企業型DCのマッチング拠出やiDeCoは所得控除の税制優遇措置があります。一方、老後を待たずに引き出すことができる「つみたてNISA」で投資信託を購入するという方法もあります。

 確定拠出年金の企業型、個人型、つみたてNISAはいずれも、利益が出た際に本来はかかる税金(20.315%)がかからないという非課税メリットがあるので、うれしいですね。値動きするものなので、短期で一喜一憂せず長い目で見ることを前提に、iDeCoとつみたてNISAを併用するのもいいでしょう。