doors編集部が実施した読者アンケートでは、約7割が転職経験者です。まだ転職したことがない人でも、「いつかは転職を……」と考えている人も多いでしょう。転職に貯蓄はどれくらい必要? 会社を辞めた時にもらえる「失業保険」は、どんな人がいつもらえるの? 今回は、転職したときにお金で損をしないように、「失業保険」について詳しく学んでいきましょう。

転職前に無職期間がある場合は要注意!

 転職をするとき、転職前に無職期間がどれだけあるかによって、自分でやらなくてはならないお金の手続きや気を付けたいことは変わります。

 転職先が決まっていて、辞めた翌日から新しい会社に出勤する場合、厚生年金や健康保険などの手続きも特に必要ありません。転職先に年金手帳やマイナンバーなどを提出すれば、転職先の人事や総務が手続きを行ってくれるからです。

また、収入が大幅に減らない限り、家計のダメージはそれほどありません。

 気を付けたいのは、仕事を辞めてから転職先を探す場合や、転職前に無職期間がある場合です。また、転職ではなく「やっぱりフリーに転身しようかな」という場合は、特に注意しなくてはいけない項目が増えます。会社を辞めるときに役立つお金の知識、無職期間中にもらえる「失業保険」の手続きについて、解説します。

入社1年目の退職は、失業保険はもらえない?

 一般に、「失業保険」とか「失業手当」と呼ばれているものの正式名称は、雇用保険の給付の1つである「基本手当」です。(この記事では、一般的によく使われる「失業保険」で統一します)

 「失業保険」と聞くと、「失業」時の給付というと後ろ向きな印象があるかもしれませんが、ここでいう失業の定義は、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」こと。つまり、前向きに転職活動をしている人も対象になります。

 「失業保険」をもらうために、絶対に満たさなくてはいけない条件は、原則として、離職の日以前2年の間に、フルタイムで雇用保険に加入していた期間が通算して12カ月以上あること

 そのため、新卒で入社し、1年未満で会社を辞める人は対象にはなりません。また、ギリギリ12カ月の場合は、最初の数カ月は雇用保険がかけられていなかったなどで条件を満たさないケースも少なくありません。会社やハローワークに確認しましょう。ハローワークに確認する場合は、「雇用保険被保険者証」の番号が分かるとスムーズですよ。

 ここからは、「失業保険」をもらうためのTO DOリストと注意点を順を追ってお伝えします。