その4:寄付先は5カ所まで

 確定申告をすることなく来年支払う住民税が減額されるワンストップ特例の適用を受けるには、寄付先は5カ所までというルールがあります。

その5:寄付の上限額に悩んだら年収の1%まで

 上の例のように、ふるさと納税を行う前後の支出額の差を2000円で抑えるためには、税金の計算上、寄付の上限額があります。シミュレーションしてくれるフォームや表で掲載しているサイトもありますが、初めてで不安、控除が多くて心配などと考えるのであれば年収の1%におさえておきましょう。

 ちなみに、2ページの例では、年収500万円で実質2000円負担に抑える寄付金額の目安が6万2千円までだったため、6万2000円を寄付するシミュレーションにしました。

年末ギリギリの駆け込み「ふるさと納税」、注意点はこの5つ
年末ギリギリの駆け込み「ふるさと納税」、注意点はこの5つ

 もしも、何かの事情でワンストップ特例を活用できなかった場合でも、落ち込む必要はありません。

ワンストップ特例が活用できなくても、確定申告すればいい

 ここは覚悟を決めて、確定申告に挑戦しましょう。今は、国税庁のサイトで入力していけば、計算や印刷までやってくれますし、税務署や確定申告時期の特設会場に出向いて教えてもらいながらやってもいいでしょう。

 少しだけ面倒であってもやってできないことは絶対にありませんし、この作業により実質2000円の負担で済み、ほかの寄付額が減税となるわけですから頑張ってみてください。

 お得感や楽しい面もが強いふるさと納税ですが、本来「寄付」であることも忘れてはいけません。そういう意味では、返礼品にはできるだけ不平不満は言いたくありませんよね。また、最初から返礼品を受け取らずに純粋な寄付をするという選択もできます。例えば、自分が生まれ育った地域や災害で被災した地域に寄付することも自由にできるのです。

 「意義」と「魅力」の両方が備わったふるさと納税、自分の働いた成果でこの年末に行ってみるのもいいと思います。

文/川部紀子 写真/PIXTA