休日は、会社ごとに決められています。例えば、隔週で週休2日の会社もあれば、土日も働く会社、お正月も稼働している会社などさまざまです。国の休日だからといって、会社の休日とは限りません

 今年のGWが10連休になるのは、会社で定めた休日が「土曜日・日曜日・国民の祝日」になっている職場。会社の休日は、就業規則や雇用契約書等に明記されているはずですから確認してみましょう。

会社は、条件がそろっていれば休日出勤を命令できる

 休日労働や時間外労働が違法になるのは、労働基準法で定められた賃金の支払、休日、労働時間に関する規定が守られていない場合です。逆に、次の条件が整備されていれば、原則、会社は休日労働や時間外労働について業務命令をすることができます。

◆就業規則や雇用契約書等で休日労働や時間外労働を命じることができる旨の定めがあり、周知もされている、または本人の同意がある。 

◆会社との間に36(サブロク)協定が締結・届出されていて、36協定の範囲内で命令が行われている。

◆法定以上の割増賃金が支払われている(ただし、会社の休日が出勤日となっても、それが時間外労働や法定休日に当たらない限り、法定の割増賃金は発生しません)。

 さらに、「業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある(出所:厚生労働省モデル就業規則)」と振替休日について規定されている場合や、GW前に就業規則の休日に関する規定を変更して10連休を回避する会社もあるでしょう。

休日出勤の指示を断ることはできる?

 このように、休日出勤命令が違法ではなく、業務上の必要性や合理性が認められるものであれば、原則として労働者は指示に従わなければなりません。業務命令違反をすれば懲戒処分を受ける可能性もあります。

 ただし、体調不良や育児・介護の必要性等の正当な理由がある場合や、労働者の健康などの利益を損なう場合は拒否できるでしょう。もし、正当な理由かどうか争いになってしまった場合は、最終的には裁判で判断されます。

 今回の親友との旅行についても、真にやむを得ない特別な事情に該当するのかを考えてみましょう。旅行先によっては相当前から予約や準備も必要でしょうし、高額旅行の場合は多額なキャンセル料が発生する可能性もあります。親友と二人での旅行なら、旅行自体がキャンセルになれば親友にも金銭的な負担がかかってしまうかもしれません。

振替休日と代休、法定休日と法定外休日とは?

 休日出勤をすると、「振替休日を取る」「代休を取る」ことが多いですね。休日出勤の代わりに別の日に休みを取るという意味では同じですが、「振替休日」と「代休」は厳密には異なります。

 代わりの休日を事前に決めるのが振替休日、事後に決めるのが代休となります。 振替休日には割増賃金は発生しませんが、代休には割増賃金が発生します

 また、労働基準法では「1週間に少なくとも1日」か「4週間で4日」の休日を与えなければならないと規定されており、これを「法定休日」と言います。これに対し、週休2日制などが採用されている職場など、法定休日を超える休日については「法定外休日」と呼んでいます。法定休日労働には35%、法定外休日労働には週40時間を超える場合は25%の割増賃金が発生します。