まず今までのお仕事の分析をしてみましょう。

ご相談の内容を拝見して、私がとても気になるのは次の二点です。

(1)鈍ってしまったスキル

(2)天職と感じていたときの「やりがい」

 顧客対応の部門のお仕事だったとのことで、お客様の困りごとの解決や、必要な情報を素早く調べて分かりやすく伝えるヒューマンスキルが求められるのですね。そのスキルが鈍ったと感じさせているものは何だと思いますか? 本当に鈍ったのであれば、ブラッシュアップする方法はないでしょうか。もしかしたら、以前と同じ業務では自分自身の成長に寄与できないと感じているのかもしれません。

 もう一つ考えていただきたいポイントが、仕事をしている「環境」の変化です。例えば、システムが変わってしまった、上司が変わってしまった、前にいたメンバーが異動してしまったなど。このような場合にも、以前のような気持ちで仕事ができなくなってしまうケースがあります。

 そして、ぜひご自分の「やりがい」について具体的に思い出して、言葉にしてみてください。

 何をしているときに感じましたか?

 何を言われたときに感じましたか?

 どのような場面で感じましたか?

 誰といるときに感じましたか?

 うれしかったときのこと、達成感や満足感を覚えたときのこと、やる気がググッと上がったときのことを思い出してみてくださいね。

「やりがい」を知っておくメリット

 ご自分の「やりがい」が分かったら、今の仕事の中でその「やりがい」を感じられる方法はないか考えてみてください。漠然と考えていたときは気づけなくても、「やりがい」が言語化できれば、そのための方法が分かるかもしれません。業務を工夫したり、幅を広げたり、変更したりすることを上司にお願いしてみませんか?

 転職を考えるのは、それからでも十分だと思います。

 転職活動の面接の際には、必ず転職理由を聞かれます。その際に、現職での課題を自分で解決するためにした工夫や行動が伝えられるかどうかはとても大切です。そして、また同じ理由で次の会社を辞めたくなってしまわないためにも、ここで一度工夫してみることは大切だと思います。

 また、「やりがい」について考えたことで、転職活動をする際にもイメージしやすくなると思います。例えば、「やりがい」が「集客の方法を考えているとワクワクする」という人なら、そういった業務が求人の中にあるかどうかを確認するとよいでしょう。よく分からなければ、可能性がありそうなところに応募して、面接に進んだときにぜひ確認してみましょう。