妊娠期を安心して過ごすために、これだけは
妊娠中は、つわりなど体調不良によって、職場に迷惑を掛けてしまうことも想定されます。上司と、仕事で密に関わる人に早めに報告しておくことで、安心して仕事を続けられます。もし報告していないと、多少つらくても我慢してしまい、母体や赤ちゃんに負担が掛かってしまうかもしれません。
また、早めに報告しておけば、産休(産前・産後休業)に入る前までに余裕を持って代替要員の確保や業務の引き継ぎを進められるので、産休・育児休業にも安心して入れますし、職場復帰がしやすい信頼関係を築けるでしょう。
つわりがひどくて遅刻や早退、欠勤する場合にフォローしたり、休業期間中に職場を支えてくれる上司や同僚にできる限り負担を掛けないよう配慮することも、仕事を続けていく上で重要なことです。早めに伝えることで妊娠期を安心して過ごすことができます。
言いづらい上司に、メールだけで伝えてもOK?
最初に妊娠報告するのは直属の上司です。仕事で密に接する人にも早めに伝えたほうが、体に負担が掛かりそうなときにサポートしてもらえるかもしれません。同僚や他の職場の人たちには安定期に入ってからでよいでしょう。
直属の上司に報告するときは、直接会って伝えましょう。なかなか職場で会えない場合や、言いづらい上司で面と向かって話を切り出せない場合には、メールを事前に送ることでスムーズに話が進むことがあります。メールの場合は次のポイントを入れるのがおすすめです。
(1)産婦人科を受診し、妊娠していることが分かったこと。
(2)妊娠・出産しても仕事は続けていきたいと考えていること。
(3)直接報告するための時間を頂けないかお願いする。
メールはあくまでも、落ち着いて相談するためのきっかけをつくる手段です。今後の仕事や勤務、引き継ぎなど具体的なことについては直接会って相談しましょう。
業務効率化も検討し、職場の信頼関係を築いて
妊娠・子育てしながら仕事を続けるためには、さまざまな場面で周囲の人に協力してもらうことになると予想されます。お互いに気持ちのいい人間関係を築くためにできることを考えてみましょう。
今回のご相談では、同じ部署に後任者がいないため、別部署からの異動か中途採用になる可能性が高いとのこと。代替要員の確保が必要になりますので、積極的に業務の棚卸しをして、仕事の「見える化」をすることで的確な人員配置をすることができます。廃止できる業務を検討したり、計画的に引き継ぎを進めることによって業務の効率化にもつながります。
せっかくの喜ばしい妊娠ですから、これを機会に業務を見直し、職場での信頼関係を築けるよう工夫してみましょう。
文/漆原香奈恵
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