梅木さんから、doors世代へのメッセージ

Q.キャリアを磨くために、大切なことは何ですか?

「人間力」を高めることです。実は私は入所から数年間、プロジェクトになかなかお声がかからなかったんです。それは経験が浅いだけでなく、つまらない人間だったから。人と積極的にコミュニケーションを取ろうとせず、飲み会に誘われても断るタイプだったんです。でも配属が変わって大きなプロジェクトに入ったことで、人との関わりの大切さに気付きました。自分をオープンにして、飲み会で面白ネタの一つでも繰り出せたほうが人と打ち解けられるし、覚えてもらえる。知識の勉強だけでなく、人間力を高めることを意識するようになりました。

Q.出産後、仕事への向き合い方はどう変わりましたか?

子どもが生まれてからのほうが、仕事に身が入るようになりました。親として、子どもを立派な社会人にして世に送り出す責任を感じたとき、まずは自分がしっかりと社会に貢献できる人材にならなければ、と。そんな意識で働けば成果も挙がるし、次のステップにつながる。だから、子育てはキャリアの障害にはならないと思いました。育児=育自、自分を育てるともいいますが、実際子育てから学んだことはすごく大きくて。今、人事の仕事もしていますが、そこにも育児の経験が活かせていますね。

Q.「リーダー」として、どんなことを心がけてきましたか?

当初は、理想のリーダー像のようなものがあって、皆がそれを目指すものだと誤解していました。でも実際は、10人いれば10通りのリーダーシップスタイルがあっていいし、答えは必ずしも1つではない。時代のニーズや環境によって求められるリーダー像も変わっていくものだし、自分の役割、自分ができることを精一杯やっていたら、その人なりのリーダーシップのスタイルが自然にできてくると思います。私も「自然体でいい。私なりのスタイルでいい」と割り切ってから、肩の力が抜けました。私の場合は、「皆でやる」ことが好き。皆が対等な立場で、自由に意見を言い合える雰囲気が好きなんです。だから、「私が決めたことについてきなさい」ではなく、皆に「どうやったらいいかな?」と問いかけながら、チーム一丸となって推進しています。

PwCあらた有限責任監査法人の梅木典子さん(PwC Japan ダイバーシティ推進リーダー)。一橋大学商学部在学中に公認会計士試験に合格。PwCあらた有限責任監査法人にて26年にわたり会計監査とアドバイザリー業務を担当。2012年から、PwC Japanグループ全体のダイバーシティ推進リーダーを務める。
PwCあらた有限責任監査法人の梅木典子さん(PwC Japan ダイバーシティ推進リーダー)。一橋大学商学部在学中に公認会計士試験に合格。PwCあらた有限責任監査法人にて26年にわたり会計監査とアドバイザリー業務を担当。2012年から、PwC Japanグループ全体のダイバーシティ推進リーダーを務める。

取材・文/青木典子 写真/河崎夕子

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