目標達成に向けて「グローバルコミュニケーション力」を磨く

 PwCに転職して3年。「海外で働きたい」という志向がより強くなった宮内さんの次の目標は「グローバルモビリティプログラム」のメンバーに選ばれることだ。グローバルモビリティでは2~3年間の海外駐在やプロジェクトベースでの海外派遣など、グローバルで経験を積むことができる。

 海外赴任前には、PwCの海外オフィスに駐在していた日本人と、海外オフィスから日本に駐在しているパートナーやスタッフの協力で実践的なトレーニングをするプログラム「GaRDP」(Global acumen Readiness Development Program)を利用することもでき、グローバルで活躍するスキルが磨かれる。

 宮内さんは自身のコーチやグローバルモビリティに関わる上司に「選ばれるために、今の私が身に付けるべきスキルとは」を相談。フィードバックを受け、その補強に取り組んできた。その一つが「グローバルコミュニケーション力の向上」だ。

「まず英語力をつけるために、オンライン英会話とマンツーマンのレッスンを併用しています。オンライン英会話は日常会話レベルの英語力の基礎を衰えさせぬよう、1日25分、朝や夜の隙間時間を利用して受講しています。また、会社の語学学校費用補助制度を利用してマンツーマンのレッスンにも通っています。英会話学校を利用するのはエグゼクティブ相手のプレゼンやプロジェクトマネジメントといったビジネスシーンでの高度なコミュニケーションを取得するためで、目的に応じて使い分けています。ただ実際には語学力だけでなく、いかに現地になじみ、現地の人に慕われるかという『グローバルコミュニケーション力』が大事だと思います。英語を喋れても日本人とは違う仕事の進め方、考え方、価値観が理解できないと、現地になじむのは難しいと思います。そのためなるべく外国の方々とのランチや飲み会に参加して対話し、『グローバルで働くとはどういうことか』の本質を理解できるように努めています」

 もう一つ、強く意識しているのが「EQ(=Emotional Intelligence Quotient)」だ。EQは「こころの知能指数」とも呼ばれ、仕事への姿勢や人間関係において感情をコントロールする力を指す。前職では、気持ちがすぐに表情や態度に出てしまうことがあり、上司や先輩から注意されることもあった。今ではEQをコントロールできるようになってきたが、さらに改善したいという。

「優秀な上司や先輩にはEQが優れている方が多いです。お客様から少し理不尽なことを言われたりしても、上司は嫌な顔一つせずに、お客様も納得し、部下である私にも負担がかからない対応を提案して鮮やかに切り抜けます。いつかは上司のような対応術を取り入れるようにしたいと思い、日々精進しています」